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京の白川沿いの「オ・タン・ペルデュ(失われた時にて)」のマドレーヌ。
木箱の蓋を開けると、薄紙でくるまれたマドレーヌが6個並んでいました。
裏がぷっくりふくらんでいるのが本場風です。真横から見るとキノコ風?

Voici des madeleines d’ Au Temps Perdu.
Six petites madelaines dans la boîte oblongue,
dont les dos sont gonflés authentiquement!


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マドレーヌ(小説ゆかりのグランド・ホテル、カブール*Grand Hôtel, Cabourg, 2004)


プルーストの長い長い小説『失われた時を求めて』には
マドレーヌをはじめ、たくさんの食べ物が登場します。
その味を求めて車椅子で旅した学者の本が『舌の上のプルースト』
その出版記念会が開かれたのが、このお店だったのです。


On trouve beaucoup de la nourriture dans RTP.
Il y a un savant qui voyagait en fauteuil-roulant
en France à la recherche du memu de Proust.
Quand son livre a été publié en 1996,
la publication fut célébrée à ce traiteur.

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フランスのノルマンディー地方に滞在中、
この『舌の上のプルースト』を片手に
フロマージュ・ア・ラ・クレームを手作りしましたっけ。
ルーアンの市場でフロマージュ・ブランを探し、
ホスト・ファミリーのキッチンを借りて…(2004年)  ↑

Pendant ma séjour en Normandie,
j' ai imité le fromage à la crême dans ce livre.


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「オ・タン・ペルデュ」でもとめたマドレーヌには
菩提樹の茶葉の入った小袋が添えられていました。
うれしいお心遣いですね。
自分で菩提樹のお茶を淹れるのは久しぶりです。
プルースト流にマドレーヌを浸して頂きましょう。
ここのマドレーヌは柔らか過ぎず、茶匙に入れると絶品♪

Les madeleines du Temps Perdu avec de la tisane!
Voici une petite madeleine et de la tisane à la Proust ♪


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いまは日本語版も出ている コミック『失われた時を求めて』。
マドレーヌとお茶をどう楽しむのかビジュアルに分かります。
そして、どんなふうに幸せな思い出が蘇ってくるのかも…  
(閉じた目…お菓子の味と香りが記憶を呼び覚ましたのです)

Voilà mon RTC (Bande dessinée) ! Eureka !
L' illustration nous monte comment manger une madelaine
et comment ressuciter nos souvenirs(via l' odorat et goût)…


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想ひ出は春サンザシと夏スイレンともに咲きたり寒き心に
dans mon coeur froid
mes souvenirs
sont écloses 
avec
des aubepines au printemps
et nénuphars de l' été

関連画像
hibiscus en papier qui s'ovre dans l'eau
(google search)


想ひ出は水中花とふ「東方の貴公子」マルセル・プルースト氏は
le mémoir est comme

la fleur en papier qui s'ovre dans l'eau
dit Proust
qui fut appelé
"Prince Orientale"


プルーストはユダヤ人の母をもち、オリエンタルな風貌でした。
Proust, fils d'une mère juive et d'un père catholique fut élevé dans la religion catholique.



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マドレーヌの場面は「スワン家の方へ」の巻に入っています

* スワンの菓子皿で *


東方の貴公子 プルースト(google search)

「marcel proust the」の画像検索結果


ボクのプティット・マドレーヌ、来た来た!

" Enfin, mes petites madeleines! " 


(All Rights Reserved)


春の食材を使った料理&スイーツ








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喫茶室「オべピーヌ(さんざし)」のディプロマット
Diplomate d’ Aubepine, Au Temps Perdu, Kyoto


「赤い縁どりのクロスをかけたテーブルには、ガレットや、ノルマンディ風のパイや、
珊瑚の色をした真珠のようにサクランボのつまった船の形のタルトや、
ディプロマット ”と呼ばれるプディングなどがおかれている。」
『失われた時を求めて』第8巻「ソドムとゴモラ」II 鈴木道彦訳、集英社

Vous vous souvenez un diplomate dans Sodom and Gomorrah (RTP) ?


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ウィーンデザインの月暦(上)* プルーストの手帖(下)
Au MoMAK (en haut) * Carnets de Proust (pinterest)

「proust carnets」の画像検索結果


西暦1900年前後のウィーン・デザイン展を見てから
同時代のフランスの作家、プルーストゆかりのお店
オ・タン・ペルデュ(失われた時に)」でお茶を。。。
お菓子はディプロマット(外交官の意)、英国風パンプディングです。
当時、フランスでは英国風のトーストやお茶が流行していました。


Après avoir vu une exposition de Secession au MoMAK,
j' ai bu du thé Au Temps Perdu en Kyoto.
Voici un diplomate dans Sodom and Gomorrah (RTP) !
Le thé à l'anglaise était en vague à l'époque en France.



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写真集には、ディプロマットの出てくる「ラ・ラプスリエール荘」
を思わせる、典型的なノルマンディー地方のお屋敷が写っています



じつはsnowdropはプルちゃんとツーショットで
さくらんぼのディプロマットでお茶したことが…
ナンチャッテ♪
プルーストゆかりのノルマンディを旅した後の写真です。
プルースティエンヌ(プルースト・ファン f.)ですから!

Tea Time de Snowdrop et Marcel avec un Diplomate (2000s)
Je suis Proustienne!


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プルーストといえばマドレーヌ、
「オ・トン・ペルデュ」のディプロマットはマドレーヌ入りのオリジナルです。
春色のグレープフルーツに、まったりクリーム・ドゥーブルをのせて。

Diplomate à la madeleine d' Au Temps Perdu
Quelle mariage de la crème double et le pamplemousse !


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プルースト、マドレーヌとくれば菩提樹のお茶です。
透明なポットに漂う菩提樹の花が見えるでしょうか。
(次回、もう少し詳しくお見せします)
カモミール・ティーに似た穏やかな色と味わいです。

Et une théière de tisane, bien sûr !


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プルーストが住んでいたパリの一角のリトグラフが
店内(オベピーヌ)に飾られています。
オーナーは相当なプルースティアン(プルースト・ファン m.)!
赤いベレー帽をかぶって、テラス席を行き来しておられます。

Cette lithographie représente le coin où Proust habitait.
Le propriétaire avec son beret rouge est Proustien !




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パリのサン・マルタン運河を思わせる白川沿いに
「オ・タン・ペルデュ」はひっそりと佇んでいます。



とぎれたる皐月の巴里のゆめひとつ続きは白き川のほとりで

une rêve interrompue
de Paris au mois de mai,
dont la continuation
est au Canal Shirakawa
comme Canal Saint-Martin


Canal Shirakawa comme Canal Saint-Martin

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おまけ*プルーストはフェルメールの絵を愛しました。
「デルフトの眺望」は「見出された時」に出てきます。

Bonus*Proust aimait Vermeer.
「デルフトの眺望 wiki」の画像検索結果


フェルメール「デルフトの眺望」* View of Delft by Vermeer(wiki)
おまけ*Bonus
テニスのラケットをギターのように抱えたプルースト(google search)


「marcel proust the」の画像検索結果「リュートを調弦する女」の画像検索結果


この記事のフェルメールの絵(2枚)は来日していません

「正しいマドレーヌの食べ方」へつづく

(To be continued)

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春の食材を使った料理&スイーツ



フェルメールの「取り持ち女」、初来日(大阪市立美術館の展示は5月12日まで)

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ちょいと!あたしのことをお忘れでないかね?3月8日はミモザの日、国際女性デーだってのに、この仕打ちはないだろう。あたしはフェルメールのやりて婆(ばばあ)。年は食っても女だよ!日本初公開のフェルメール作品だってのに、snowdropはあっさりスルー? 許せないね!
(snowdrop注*フェルメールの他の出品作については前回の記事へ)

Hey, you, snowdrop! Don' t ignore me ! Because March 8th is International Women's Day, you should remember me and give mimosa ! Though I am the procuress painted by Vermeer and have been exhibited in Japan for the first time, you have omitted me in the previous article ?! Unforgivable!!!


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フェルメール「取り持ち女」(1656年)The Procuress by Vermeer
主な絵画図版は『フェルメール』(同朋舎)を撮影

 「やりてばばあ」じゃあんまりだと思われたのかねえ、いつしか「取り持ち女」と呼ばれるようになった。まあ、客に娼婦を世話することに変わりはないがね。ほろ酔いの赤い頬の女を抱きすくめた赤い服の男が、彼女の右手に金貨を手渡している。つかのまのカップル成立、とにんまりしている黒衣の婆があたしさ。
 主役のあたしを黒子(くろご)みたいに陰に沈めるなんて、若いのに機知に富んだ画家だねえ。あたしの隣でグラス片手に笑っている男、案外フェルメールの自画像かもしれないよ。どうです、僕の絵、一枚いかが?なあんて声が聞こえてきそうだ。

 In the above painting, a man in red is handing a coin over a drunken prostitute with red cheeks. I am an old woman in black who is smiling complacently. The young painter was so smart that he dared to set me, the title role, in the darkness. Is this smiling man in black a self-portrait of Vermeer? This figure might say "Hey, would you like one of my paintings ? "


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ファン・バビューレン「やりて婆」(出品されていません) 
The Procuress by D. van Baburen (c.1594-1624)



 もっとも、フェルメールはゼロからこの絵を描いたわけじゃあない。妻の母親が持っていたファン・バビューレンの「やりて婆」(上図)を手本にしたと言われている。フェルメールの妻は裕福な家の出だった。カトリックのお嬢様がプロテスタントの画家と結婚!よほど将来有望な画家と見込まれていたんだろう。姑が婿殿にはっぱをかけている様子が目に浮かぶよ。

「あなたも所帯持ちになって三年、そろそろもっと売れる絵を描いてもらわなくては!さ、先日の注文、わたくしの秘蔵の絵を手本にして仕上げなさいな。
 こんな享楽的なテーマは気が進まないですって?子供のころ、親父が営んでいた居酒屋の喧騒を思い出してうんざりだ、ですって?!でも、この女たらしがルカ福音書の”放蕩息子”だとしたら、どう?
 何が描かれているかにとらわれてはダメ。どう描かれているかをよくご覧なさい。このカラヴァッジョばりの光と影の使い方、生き生きした人物描写。学ぶことはどっさりあるはずですよ!」

 They say that Vermeer painted his Procuress in reference to that by D. van Baburen, a possession of his mother-in-law. His wife was from a rich Catholic family. This young Protestant should have been a hopeful painter. From this painting, I hear a voice of his mother-in-law…
" Now that you have been married for three years, it is about time you painted more paintings that sell better. Here is a model for you to finish your recent order. Oh, you say that you do not feel like imitating such a voluptuary one? That reminds you of your father's noisy tavern? But what if this man was the Prodigal Son in Luke ? You must not think about only what is painted, but should observe how it is painted ! This chiaroscuro of a Caravaggest, these lively gestures…you will find lots of things to learn! "



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「Pieter Claesz wiki still life」の画像検索結果「Pieter Claesz」の画像検索結果

参考*ピーテル・クラース「静物」*Still Life by Piter Claesz(1630-40s)(wiki)(出品されていません)

 そして、数か月後…
「まあ、いい絵になりましたね。娼婦の手のグラスやデルフト焼のワイン差しの見事な質感…これで押しも押されぬ聖ルカ画家組合員ね。それにしても、このタペストリーを描くのにずいぶん時間をかけていたこと。そういえば、マルタとマリアの家のキリストを描いた時も、すみっこの織物に熱中していたそうね…」
 やれやれ、婿殿はやっと姑のお説教から解放されたようだ。

 Several month later…
” You have painted an excellent one ! These wine glass and wine picther look like those by Piter Claesz ! You are now in reality and in name a member(master painter)of Guild of Saint Luke! …And you took a long time to paint his tapestry…are you a tapestry-mania? ”
 At last he was freed from her surveillance !


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ファン・バビューレン
「やりて婆」
(出品されず)







フェルメール「ヴァージナルの前に座る女」(部分)
(出品されず)


 フェルメールの絵の中に、義母の持っていた「やりて婆」はくり返し登場する(↑ 例:右の画中画)。享楽への戒めを暗示するためだろうか。画家としての初心を忘れないため?それとも、いつもの使いまわしかねえ。
 フェルメールの「取り持ち女」に戻ろう。一見、彼らしくない絵かもしれないが、あたしはこの絵が好きさ。何も自分が主役だからってんじゃないよ。でも、このいかにも苦労人らしい陰のある婆さん、いいねえ。
 フェルメールはこの一枚で何かをつかんだんだよ。おそらくは画家としての自覚と自信、そして、自分が描きたいものが何なのか…
 ここで人間の内面の探究めざして舵を取っていれば、レンブラントを越える肖像画が描けたかもしれないのに!……年寄りの繰り言、無いものねだりかねえ。

 The Procuress by D. van Baburen appears several times in Vermeer's paintings. In order to deliver an admonition against the prodigality? So as to remember his original intention as a painter ? Or his usual reuse ?
 Let's get back to Vermeer's Procuress!At first glance, it might look like out of his style, but I like it. It is not because I am the title role, but this old woman's portrait is chouette, she should have seen the world !
 This painting might be his turning point. He gained the self-awareness and self-confidence as a painter while painting this. He found what he want to paint.
 If he had begun to aim at the pursuit of the inner world of a human being, he might have painted a more excellent portrait than those of Rembrandt ! Is this the complaint of an old woman or crying for the moon ?
 

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フェルメールが描きたかったもの、それは光と影、色と形、つまりは美しい絵だった。「取り持ち女」の画面の大部分を占めるのは、トルコからの輸入品とおぼしきタペストリーだ。幾何学性と装飾性をあわせもつ文様の色と形、それから質感の表現にフェルメールは熱中した。そののち何枚もの絵の中で、テーブル掛けとして、あるいは舞台の幕のように、色とりどりの毛織物が描かれた。

What Vermeer wanted to paint was the light and shadow, colours and figures, that is, the beautiful painting. For example, this Usak tapestry occupies a large area of his Procuress. The geometrical and decorative pattern and texture fascinated the painter. He was to paint various tapestries as a table cover or a drop curtain.


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『絨毯 シルクロードの華』(国立民族博物館展覧会図録、朝日新聞社)より
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フェルメールの描いた緞帳のようなタペストリー
(左の絵は出品されていません。ちなみにこの絵はsnowdropが初めて実見したフェルメールです。ウィーン美術史美術館蔵)


 色と形、そしてストーリー(物語性)を志向するフェルメールの画風は、仮名・漢字づかいと音のひびき、そして歌物語を大事にするsnowdropの短歌に通じるのかもしれない…
 あるいは、タペストリー、真珠、黄色いガウン、鋲付きの椅子、楽器など、限られたモチーフを組み合わせて幾通りもの絵を描いたところは、少ない言葉を組み合わせて珠玉の和歌を詠んだ式子内親王を思わせる。

 Vermeer's style orienting to the colours, figures and stories mighr have something common with snowdrop's style of tanka-poem orienting to the appearance of written characters and sounds.
 And Vermeer's method making various compositions with limited motifs such as tapestries, pearls, a yellow gown, musical instruments, etc. reminds me of pearls of waka-poems with limited vocabulary by Princess Shikishi.


📚 参考文献(注*「真珠の耳飾りの少女」は今回の展覧会で出品されていません)

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「青いターバンの少女(真珠の耳飾りの少女)」を大阪市立美術館で見たのは西暦2000年でした。
I saw this girl with a blue turban in Osaka in 2000.



海いろのターバン真珠のイヤリング 少女(をとめ)は夢む ツリパの国を
🌷 ツリパ = トルコ人のターバン。チューリップの語源

portant
une perle à l'oreille
et turban ultramarine
une jeune fille rêve
du pays de la tulipa


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(馬見丘陵公園*2017年4月)

ここから、おまけ(「オスマン帝国外伝」TVドラマの録画より)*Bonus

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フェルメールの時代から遡ること100年余り。オスマン・トルコの宮廷ドラマを見ると、どの部屋にもトルコ絨毯が敷き詰められている。絨毯の上に座布団とちゃぶ台、まるで日本のお茶の間!スルタンもプライベートではターバンを外してくつろぐ。

Here is a Turkish carpet in Magnificent Century ! Sultan takes off his turban in a private room !

「スレイマン 1世」の画像検索結果
スレイマン1世の肖像画(wikipeida)
Süleyman I(1494-1566)

スレイマン1世(左)と大宰相イブラヒーム(右)* ↓İbrahim Paşa (1493-1536)

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ターバンはトルコ人のツリパ、チューリップの語源である。なるほど、この白いターバンはチューリップのつぼみによく似ている

The name tulip derives from "tulipa (turban)" . His white turban looks like a white tulip bud ! 🌷

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オスマン帝国ではチューリップの花が好まれた。夕日の方角へチューリップがお辞儀する、そのさまが皇帝たちの心をくすぐったとか。「世界よ、朕の前にひれ伏せ!!」

This movement of the tulip was called "Tulip's bow" by Sultans of Ottoman Empire. They compared this flower to all the people in and out of the empire.


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オリエントの荒れ野に生(あ)れしチューリップ小砂利まじりの花壇にゆるる

tulips that were born
on a desert in Orient,
they swing
on a gravel-covered
flower bed in Japan



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チューリップは中近東ではラーレと呼ばれる(トルコ語:lale, ペルシア語:لاله

オマル・ハイヤーム『ルバーイヤート』(黒柳恒男訳注*ペルシア詩)Rubáiyát
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「トプカプ宮殿 チューリップ タイル」の画像検索結果
トルコ至宝展HPより)

国立新美術館(東京)にて3月20日から開催

(All Rights Reserved)










今朝、あふれる月の光に目覚めたら、重たそうなまるい月が山の端へ落ちてゆきました…
(スーパームーンは2月20日)

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スーパームーン(2015年)*Super Moon*snowdrop撮影*短歌とは無関係です


ときどきは耳を澄ますこと月に射されたままからだ   勺 禰子

sometimes
straining my ears
on a pass
still with the body
bathed in the moonlight
― Shaku Neko, tr.by Yukiko Kawakami


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今月号の『角川短歌』の「短歌のさじ加減」でも取り上げられた
禰子さん(しゃく ねこ)さんの歌集『月に射されたままのからだで』。
2017
年の夏、勺さんのブログ( 🐈)で拝見して以来
サインを頂きたいと願ってきました。先日勇気を出して願いをかなえました。

Here is the first collection of tanka composed by Shaku Neko,
Still With the Body Bathed in the Moonlight
and a tanka-magazine, one of whose articles refers to her tanka.



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勺 禰子さんと会ひて
リュックよりさらりと出せる筆ペンは歌人の矢立の流れをぞ引く 


恋文ペン字で *「シャッポン(帽子)」はわが祖母の造語?

シャッポンをななめにかぶるウタビトは万智チヤンみたいなボブカット・ヘア

a tanka-poet
cocking her chapeau
was charming,
with bobbed hair
like that of Machi-chan

→ Tawara Machi(wiki)


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主菓子「梅の窓」(菊屋、大和郡山市)
撥鏤(ばちる)菓子切(守田 蔵作 🌸
🌸『古事記』をテーマにした創作も…

勺さんが所属しておられる短歌結社の機関誌『短歌人』
二月号の表紙は
です。如月から弥生の窓辺で味読しましょう。
主菓子「の窓」に入った筋は、大和郡山市の町家の格子窓を思わせます。

The tanka association which Shaku-san belongs to
publishes the above magazine (Februray 2019 Issue).
Do you recognize the
plum blossoms on the front cover ?
A Japanese cake in the shape of
plum blossoms by a window
reminds me of a window of a traditional townhouse in Nara.



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町家の窓*Former residence of Kawamoto family in the ex-red light district (2016)


勺さんの眼を通して歌われた関西は、古代史に連なりつつ

いま、ここの現代をも生き生きと映し出しています。

Kansai district in hertanka reflects vividly the contemporary life
while leading to the ancient history.




今はむかし国際港と思ほえばコスモスクエアといふ名をば肯ふ   勺 禰子



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梅二輪(コンデジ内蔵の魚眼レンズで加工)


関西方言の短歌もあります。

It is difficult for me to translate our tanka in Kansai dialect



「カーネーション」2011年秋、朝の連続テレビ小説

言うちゃるわ、早よ寝り、食べり、行っちょいで。
糸子の母は祖母の面影   
勺 禰子



2016年夏、祖母の追憶
枝豆をみしってきちょうと渡されし手籠に勇みき
幼ごころは  snowdrop


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農林会館(大阪)(2016年)* snowdropの祖母もよくミシンを使っていました

「カーネーション」の周防龍一(綾野剛) ミシンをしょっています (google search)

関連画像




キーボードに引き裂かれゐし子音母音なつかしみつつ

君の名を呼ぶ   勺 禰子


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snowdropは高校時代、英文タイプライターに挫折しました。

大学時代にワープロが登場。さて、ローマ字入力か仮名入力か?
迷った末、外国語にも応用のきくローマ字入力を選びましたが
子音と母音をたえず引き裂いている罪悪感はいまも拭えません。
新仮名遣いで痛めつけられた日本語を、さらに鞭打っている気がして。
けれども、慣れとは恐ろしいもの。
今や鉛筆を握るよりキーボードを叩く方がするする歌が生まれるのです。
ピアノのように両手を使うと、左右両脳が刺激されるからでしょうか?
果たしてこのままでいいのか … 言霊が弱まったりしないでしょうか?

I once gave up typing in English during high school.

Then the word processor appeared when I was at university.
I have chosen Roman letter input rather than Japanese one
because I can apply it to foreign languages also.
But according to Shaku-san's tanka, the Roman letter input
tears Japanese into the vowel and consonant !
To tell the truth, I can compose tanka more smoothly
with PC than with a pen, like playing the piano with both hands!
Will typing in English weaken the spirit of Japanese language ?!


東大寺境内の黄葉と月の歌の栞(90年代)

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挿画 山本じん 銀筆「淤能碁呂島」『絵本古事記 よみがえり―イザナギとイザナミ』


(ぎん)(ねづ)の光をまとふ本えたりスーパームーンのふくらむ午後に



ドレ筆の『神曲』めきたる銀筆の
『古事記』にうねる(かづら)の言霊


ドレによるダンテ『神曲』の挿画(
google search)


「illustration of La Divina Commedia by G. Doré.」の画像検索結果


The above silver cover illustrating A Record of Ancient Matters
reminds me of the illustration of La Divina Commedia by G. Doré.


(All Rights Reserved)










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この春めいた卵いろの窓はどこの窓?これはモスクの窓。
snowdrop、ついにTVドラマ「オスマン帝国外伝」の舞台へ?

Where are we? Here we are in Kobe Muslim Mosque(→).




チューリップの季節に始まる展覧会、京都へ巡回するのはバラの季節です。

This exhibition will begin in the season of tulip in Japan.



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ここは神戸の街なかにあるモスク。
パール・ストリート沿いの北欧カフェから見えています。

The mosque is nearby that cafe markka along Pearl Street!


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三日月の銀にきらめくミナレットやまとの桜のつぼみのなかで

silver crescents shine
on the minarets of Kobe Mosque
surrounded
by lots of buds
of Japanese cherry trees



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神戸ムスリムモスクは、日本最古のイスラム教礼拝所(1935年完成)。
大戦の空襲から焼け残った「奇跡のモスク」です。

This mosque is the oldest in Japan (founded in 1935).
It escaped the fire of airstrikes during the war,
which is called "Miraculous Mosque".



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神戸は「々に門を開く町」。
このモスクと、シナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)と、カトリック神戸中央教会とが
徒歩圏内でほぼ正三角形に位置するといいます。
「平和の象徴、奇跡の三角形」です(NIKKEI STYLE 1月13日)。

Kobe Muslim Mosque, The Jewish Community of Kansai, and
Kobe Chuoh Catholique Church are arranged in triangle by chance.
The NIKKEI calls it "the miraculous triangle, the symbol of the peace".



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ヒジャーブ(スカーフ)は無くても大丈夫?内部の写真を撮ってもいいですか?
フレンドリーな受付の男性いわく、靴を脱いで靴下になればOK。
女性は男性とは別の扉から二階へ上り、ヴェランダから室内を見下ろします。
折しも礼拝時間外で、お祈りしているのは一人だけでした(祈る人は撮影禁止)。

The women should go upstairs and look down the ground floor.



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イスラームの文字はいつ見ても美しいですね。
この文字が読みたくて、ペルシア語をかじったことがあります。
アラビア語のコーランより、ペルシア語の詩集『薔薇園』に惹かれて…

The beauty of Arabic script and Golestān made me learn Persian.


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「アッラー」や「ムハンマド」、シャハード(信仰告白)が刺繍されています。
図書コーナーにはコーランがずらり!アラビア語はもちろん、英・仏語や日本語版も。
インドネシア語版が目立つ位置にあるのは、インドネシア出身の信者が多いからです。

These embroidery tells Allah, Muhammad, and Shahāda.
In the small library, there were the Koran in Arabic, French,
English, Japanese, Indonesian, etc.


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「オスマン帝国外伝」の大宰相の名、イブラヒームは、旧約聖書のアブラハムのアラビア語読みです。
小姓頭時代から恋焦がれていたスルタンの妹と、ついに結婚することができたのです♡ が…

In The Magnificent Century, Ibrahim (=Abraham!) 
married the younger sister of Süleyman I(1494-1566).



婚礼衣装のハティジェ(スルタンの妹)* Süleyman’s sister (telerecording)

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お向かいのハラル・ショップは次回とりあげます。
マアッサラーマ(サラーム=平和とともに)(アラビア語で「さようなら」)!
シナゴーグへは、末尾のリンクから「ももさへづり*うた暦」へどうぞ。
シャローム(平和)(ヘブライ語で「こんにちは」)!
「サラーム」と「シャローム」は「s, l, m」という母音が共通しています。
アラビア語とヘブライ語は兄弟のようなものなのですね。

Next time,
I will bring you to a halal food shop in front of the mosque.
مع السلامة (Ma'a salama = Good bye!)
You can visit the synagogue in Kobe in the below article.
שלום (Shalom =Hello !)

Both greetings include the "peace" (salama/shalom)
whose roots are in common √s l m .
Arabic and Hebrew are brother languages !


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神戸ムスリムモスク(2018年)☽ Kobe Muslim Mosque

神戸ハリストス正教会(2014年)☆彡 Dormition Orthodox Church in Kobe 



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ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は創造主やアブラハムを共有し、ヘレニズムやヘブライズムから生まれた兄弟のような宗教です。

Judaism, Christianity, Islam are brother-religions having God, Abraham in common, born from Hellenism and Hebraism.





(All Rights Reserved)











「エミリ・ディキンソン」の画像検索結果「式子内親王」の画像検索結果google search


エミリと式子、国も時代も遠く離れた詩人と歌人が
うた合せをしたなら…(お題は「虫」)

Further in Summer than the Birds Emily Dickinson


Further in Summer than the Birds
Pathetic from the Grass
A minor Nation celebrates
It's unobtrusive Mass.

No Ordinance be seen
So gradual the Grace
A pensive Custom it becomes
Enlarging Loneliness.

Antiquest felt at Noon
When August is burning low
Arise this spectral Canticle
Repose to typify

Remit as yet no Grace
No Furrow on the Glow
Yet a Druidic Difference
Enhances Nature now

鳥たちよりもさらに夏遅く  エミリ・ディキンソン

鳥たちよりもさらに夏遅く
草むらのかげで悲しげに
ちっちゃな群れが挙行する
人目につかぬミサを。

(…)

八月が燃えつきようとする頃
真昼というのにたいそう古めかしく
この幽霊のような聖歌はわき上がり
寂滅を表象する

恩寵はまだ取り消されたわけではなく
輝きにはさしていない
(…)

(亀井俊介の訳から一部を引用)(『対訳 ディキンソン詩集』岩波文庫)



アマーストの秋(O.H.ヒッチコック)(wikipedia)
Autumnal Scenery, lithograph after Orra White Hitchcock


引用部分の最終行で「」と訳されたのは ”Furrow” という単語です。
訳注によれば、furrowとは「畝と畝の間の溝」という意味だとか。
畝の影を光と対照させる感性は型にとらわれず、こまやかです。
この畝にひそんでいるのは、ちっちゃな群れをなすこおろぎです。

"Furrow" means the shadow contrasted with the Glow.
In these furrows live and sing a minor Nation, the cricket.



cricket and
pine cricket




跡もなき庭の浅茅にむすぼほれ露の底なる松虫のこゑ 式子内親王

entangled
in the cogon grass leaves
in the garden without tracks,
in the bottom of the dews
a pine cricket's cry

(Princess Shikishi, tr. by snowdrop)

人の足跡もない庭に茂る浅茅の露の底から
ほろほろとたちのぼる松虫の声…
まつむしはすでに誰をまつことも諦めたかのよう。
詩よりずっと短い和歌の半ばを草の描写が占め
ただか細い声が聞こえてくるばかり。

"Matsumushi (pine cricket)" implies "matsu (wait) ".
While Emily simply depicts "from grass",
Shikishi "entangled in the cogon grass leaves".
The latter's grass encloses the insect.




式子内親王が蜘蛛に咬まれる歌物語を作ったことがあります。
(snowdropのフィクションです)

いっぽう、エミリにも蜘蛛をうたった詩があります。



The Spider holds a Silver Ball (蜘蛛が銀の玉をかかえている)
In unperceived Hands –(目には見えない手で – )
And dancing softly to Himself(そして、そっと一人踊りながら)
His Yarn of Pearl – unwinds – (…)(真珠の糸を繰り出す) (…)

(the first stanza of a poem by Emily Dickinson, tr. by snowdrop)


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(2017年撮影)


華厳経では、微塵のなかに世界がすべて含まれていると説きます。
毘盧遮那仏が帝釈天につくらせた宝網である因陀羅網においては、
「結び目にある珠玉が互いを映し合い、映った珠がまた映し合うという
無限の関係によって、華厳の無尽が説明される」のだとか。
宮沢賢治の「インドラの網」がこれに当たります。
英語では、これをパール・ネットワークと呼ぶそうです (2015年記)。

Avatamska sutra explains that a monado includes whole world.

Indra's net (the net made by Indra by orders of
Vairocana Buddha
to which Miyazawa Kenji refferred) has a multifaceted jewel at each vertex,
and each jewel is reflected in all of the other jewels.
This image shows the infinite world of
Avatamska sutra,
which is called “Pearl network” in English.



(2017年撮影)

 

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空高み真珠(まだま)のやうな白雪は見えぬ糸もて繰り出されくる

Heaven unwinds his yarn of pearl-snow (inspired by Emily)




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Trois Petits Flocons(left)*Neige par Nakatani Ukichiro(right)


(All Rights Reserved)







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初雪ね ささやきかはす 水仙花 

the first snow
whispering each other
narcissus


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ドビュッシー*雪は踊っている






ちひさき鳥を教へてくれるものは雪 こゑもすがたも白にうもれて 

birds,
is taught by the snow
hidden in the white
their songs and wings
all the more I miss
(inspired by Emily's poem)

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Emily by Michael Bedard, pictures by Barbara Cooney


山ふかみ春ともしらぬ松の戸にたえだえかかる雪の玉水  式子内親王

deep in mountains
where spring seems to be far behind
on the pine door
snow melting water falls
drop by drop。。。
(Princess Shikishi, tr. by snowdrop)

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白百合 * lilium alb.

『エミリー』(マイケル・ビダード著、掛川添子訳、バーバラ・クーニー絵)


この絵本には、エミリの詩がエミリ自身の文字で引用されています。

A picture book Emily cites her poem with her own handwriting. 


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掛川添子さんが訳した、マイケル・ビダードの本文もすてきです。日本には

エミリの詩に魅せられ、美しい品々に生まれ変わらせている人たちもいます。

Michael Bedard, inspired by Emily and her house, he writes: "What is poetry? (…) Listen to Mother play [the piano]. She practices and practices a piece, and sometimes a magic happens and it seems the music starts to breathe. It sends a shiver through you. You can't explain it, really; it's a mystery. Well, when words do that, we call it poetry. " ([…] by snowdrop)
There are Japanese also who are inspired by Emily's poems to create beautiful things.


展覧会「永遠の旋律」は去年終了しましたが…(Exhibition in 2018)



海の果てのやまとの友に囲まれてエミリの部屋は光さんさん

surrounded
by Japanese followers
beyond the ocean,
Emily's solitary room
should be filled with sunlight


エミリの部屋(アメリカ)は博物館になっています。→🏠

「emily dickinson  museum room desk」の画像検索結果
Emily Dickinson Museum → 🏠 


ふるき椅子と白き十字の聴き入るは詩人をめぐる永遠の旋律

antique chairs, white crosses
and beautiful accessories
are listening to dateless melodies
for and from Emily Dickinson

展覧会(東京)の写真(by haruchonnsさん)から生まれた歌です


「emily dickinson books 永遠の旋律」の画像検索結果

photo from Books 📚 Special thanks to haruchonns!

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この絵本の主人公は、隣人エミリ(・ディキンソン)を訪ねる少女です。
The heroine visits Emily(Dickinson), her mysterious neighbour.





エミリ・ディキンソン
の詩から生まれた旋律Melody)をどうぞ。歌詞も添えました


Nature -The Gentlest Mother (自然 - もっとも優しき母)  
Twelve poems of Emily Dickinson (エミリ・ディキンソンの12の詩)
music by Aaron Copland (1900-1990)(コープランド作曲)

Nature - the Gentlest Mother,(自然 - もっとも優しき母は)
Impatient of no Child - (どんな子にも忍耐強い -)
The feeblest - or the waywardest -(ひどくか弱い、-或いは強情な子でも –)
Her Admonition mild -(穏やかに諭して聞かせる -)
In Forest - and the Hill -(森で – 丘で -)
By Traveler - is heard -(旅人は聞くだろう -)
Restraining Rampant Squirrel -(勝手気ままなリスや -)
Or too impetuous Bird -(気の荒い鳥を躾けている声を -)
How fair Her Conversation -(なんてフェアなお話だろう -)
A Summer Afternoon(夏の昼下がりに)
Her Household - Her Assembly -(彼女の家で - 円居で -)
And when the Sun goes down -(日が沈むときに、聞こえる -)
Her Voice among the Aisles(教会の側廊で彼女の声は)
Incite the timid prayer(臆病な祈り手を励ます)
of the minutest Cricket -(ちっちゃなコオロギや -)
The most unworthy Flower -(とるに足りない花のような -)
When all the Children sleep -(子供たちが眠りにつくと -)
She turns as long away(明かりを灯しても大丈夫なくらい)
As will suffice to light (十分に遠く)
Her lamps -(自然は身を引いて-)
Then bending from the Sky -(空から身をかがめ -)
With infinite Affection -(限りない愛情と -)
And infiniter Care -(さらに限りない心配りをもって -)
Her Golden finger on her lip -(金の指を唇に当てる -)
Wills Silence - Everywhere ?(お静かに - どこもかしこも)
tr. by snowdrop


「emily dickinson herb」の画像検索結果

エミリの植物標本から睡蓮など (pinterest) * 他の頁はこちら 🍁
Emily Dickinson's Herbarium 🍁
haruchonnsさまから教わりました。)

エミリ・ディキンソン(1830 - 1886)という詩人がいます。
『風と共に去りぬ』の舞台ともなった南北戦争前後の時代、
マサチューセッツ州アマーストの自宅からほとんど出ることなく
1800を超える詩を綴りました。
音節足らずの行とダッシュ( – )の多い詩は、沈黙と余白を感じさせます。

Emily Elizabeth Dickinson is a poet who lived the time of Gone with the Wind.
She did not leave her house and garden to compose more than 800 poems.
Their lines often lack one syllable (8 minus 1) and include many dashes,
which are filled with pauses like her own Conversation – probably.




「emily dickinson book 初版」の画像検索結果「Monotropa uniflora」の画像検索結果


エミリは自然を愛し、庭で花を摘んで押し花にしました。
東洋の私たちにもなつかしい睡蓮の花も…

haruchonnsさまによれば、
彼女の詩集の表紙にあしらわれた青白い花は、日本にもある
「アキノギンリョウソウ(秋の銀竜草)」だそうです。
🍂

She loved Nature and picked flowers in her garden including the waterlily.
Accordin to haruchonns-san,
the front cover of her book of poems is Monotropa uniflora design.
🍂
She gave us the information on Emily Dickinson's Herbarium also. 🍁


「Emily Dickinson poem portrait」の画像検索結果「式子」の画像検索結果

(google search)

ギリシア文学者の沓掛良彦は
エミリと式子内親王に通じるものを見出しています。
式子は一昨年のsnowdropの歌物語の主人公でした。
斎院として、子供時代と青春の日々を賀茂の神に捧げ、
京へ帰った後は多くの時を邸内で過ごし、歌を詠みました。
エミリの詩のように彼女の歌も、静謐と情熱を感じさせます。

Kutsukake Yoshihiko, a scholar of Greek and Latin classics,
finds the similarity between Emily Dickinson and Princess Shikishi.
I agree him.
Her waka-poems are pure and passionate as well as Emily's poems.


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「浮舟冊子」13世紀 大和文華館所蔵『古今和歌集 梁塵秘抄』朝日新聞社


式子内親王(1149-1201)とほぼ同時代の女人。筆をもつ手がはっきり描かれています。
絵本のエミリも鉛筆を握っていますね。額絵の鹿が、彼女の詩の冒頭を思い出させます。
「手負いの鹿はもっとも高く跳びます」(エミリ・ディキンソン)



Emily
and Deer illustrated by Barbara Cooney(detail)
A Wounded Deer – leaps highest – (Emily's poem)

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映画もあるそうですが…見ようかどうか迷っています。



ついでにこれも…(イタリア詩人レオパルディの映画)




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Givenchyのお皿でおうちランチ (2018年)

Givenchyのファッション
(パリで一緒に*google search)


「パリで一緒に ジバンシー」の画像検索結果



京都の白川沿いに佇むトレトゥールのお惣菜とお菓子。
トレトゥールとは、お惣菜のテイクアウト店(仏語)のこと。
フォアグラとポークのムース、それにラム酒ケーキ「ババ」。
「ババ」は「あきれた」という意味の俗語でもあります。


Le long de la Shira-kawa, il y a un traiteur.
J' ai choisi une mousse de foie gras et un baba.


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京都府立図書館やMOMAK(京都国立近代美術館)の帰りによく立ち寄るお店。
なのに、ずっとお店の名前を知りませんでした。ババ(あきれた)!!!
「オ・タン・ペルデュ」つまり「失われた時」という名前は
プルーストの『失われた時を求めて』に由来するのです。

Je souvent le visitais sans savoir son nom, Au Temps Perdu.
Je suis BABA!



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さんざしの花とさんざし色のお菓子(コミック『失われた時を求めて』より)
マカロン(中央)とフロマージュ・ア・ラ・クレーム(右)*aubépine


店内のレストランは「オベピン」、つまり「さんざし」という名前です。
こんなステキなことに何年も気づかなかったなんて…
これでもプルースティエンヌ(プルースト・ファン)?ババ(あきれた)!!

Je ne savais pas le nom de la salle à manger, Aubépine.
Quelle Proustienne! BABA!!


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フランスのフロマージュを使って手作りしたさんざし色のお菓子
フロマージュ・ア・ラ・クレーム(ルーアンの庭)

le fromage à la crème fait à la main par snowdrop
(Rouen, 2004)


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失われた時を求めるならこれ!マドレーヌと菩提樹のお茶(エールフランス)
(madelaine et tisane de Air France, 2004)



天と地のあはひを旅した飛行機よ ― 今はみ空を見上げるばかり
l' avion
par lequel nous voyageâmes
entre le ciel et la terre ―
maintenant je regarde le ciel
où tu habites


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背中がぷっくりした本場のマドレーヌ(小説ゆかりのグランド・ホテル)
les vrais madeleines (Grand Hôtel, Cabourg, 2004)


本日のお客さま*client du jour

「ボクのプティット・マドレーヌ、まだ?」

" Pas encore servies, mes petites madeleines… "

「marcel proust the」の画像検索結果

マルセル・プルースト*Proust (google search)


おまけ*フランスにはこんな絵本もあるそうです(amazon)


「dans le baba」の画像検索結果


Elles sont ABBA!! → 

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小川洋子『ミーナの行進』に出てくるベーカリーB(ビゴの店)のブッシュドノエル

bûche de Noël de Bourangerie B dans La Marche de Mina de Yoko Ogawa 🎄


「あの1972年が、ローザおばあさんが采配を振るった最後のクリスマスになったことを思うと、そこに立ち会えた幸運を、神様に感謝しないではいられない。もみの木に揺れる数々の飾り、ろうそくの炎、手作りのご馳走、そして慎ましくも願いのこもった贈り物。クリスマスの日、私の触れたものすべてに、ローザおばあさんの温もりが満ちていた」― 小川洋子『ミーナの行進』

" Quand je pense que cette année 1972 fut celle du dernier Noël dont grand-mère Rosa prit la direction, je ne peux m' empêcher d' être reconnaissante à Dieu d' avoir eu la chance d' y assister. Les différentes décorations qui tremblotaient dans le sapin, la flamme des bougies, les délices maison, et les modestes cadeaux pleins de délicatesse. Le jour de Noël, tout ce que j' ai touché débordait de sa chaleur."
― La Marche de Mina de Yoko Ogawa, traduit par Rose-marie Makino avec la participation de Yukari Kometani et Yutaka Makino)


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業平橋東詰を右折してフランスパンのビゴのお店へ



 芦屋カトリック教会から川沿いに山の方へ歩き、業平橋で右折すると、やがてビゴの店へ出ます。
 フランス人ブーランジェの開いたパン屋さん。小川洋子の小説にもちらりと出てくるお店です。(物語のあらすじはこちら↓)

 L’ Église Catholique d' Ashiya est dans le voisinage de Boulangerie Bigot, qui est Bakery B dans le roman.



 ランチのパンを探すつもりが、飾り窓の赤い箱に目が吸い寄せられました。ビゴの店はパティスリ・ブランジェリ、お菓子とパンの両方を作っているのです。

 J'ai trouvé beaucoup de boîtes rouges dans sa vitrine. C'est une Pâtisserie-Boulangerie!



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 生前のビゴさん にお目にかかる機会はありませんでしたが、フランス語の先輩からガレット・デ・ロアの集い(クリスマス最後の日、公現祭の催し)の様子などを聞いていました。ビゴの店で大切に守られてきた、ルヴァン種のパンを、クリスマスの夕餉用に求めました。噛めば噛むほど味わい深いパンです。

 
Phillippe Bigot (1942-2018) est venu de Normandie. Une des mes devanciers de français lui connaissait. Selon elle, il était "le roi de galette" chaque année ! Son levain est du raisin.


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 久々に神戸の方へ足が向いたのは、もしかしたらNHK朝ドラの再放送のせいかもしれません。「べっぴんさん」のヒロインが育ったお屋敷(昭和9年以前築)は、まさにミーナの家(昭和2年築)のイメージなのです。スパニッシュ様式の洋館は英国チューダー様式のものと同様、昭和初期に数多く建てられました。

「玄関ポーチやテラスに多用されるアーチ、南東の角に設けられた半円形のサンルーム、オレンジ色の瓦屋根など、スパニッシュ特有のスタイルは、豪勢さよりも明朗な優しさを発している」
「南側の庭は日光がたっぷりと降り注ぐよう、なだらかに傾斜しながら海に向かって開けている。(…)周囲は常緑樹に囲まれ、町のざわめきははるかに遠い」
(同上)

 Ces photos d' une maison dans le style espagnol transmet l' atomosphère de la maison de Mina(complétée en 1927).


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「べっぴんさん」より(昭和9年の一場面)(TV drama set in 1934)


「ローザおばあさんと米田さんは、ミーナの伴奏でクリスマスの歌をたくさん歌ってくれた。相変わらずの見事なハーモニーは、皆をうっとりさせた。長年決して離れることのなかった二つの歌声は、生まれる前からずっとそうであったかのように、寄り添い合っていた。いつもでもクリスマスが終わらなければいいのに、と私は、かなうはずもないお願いを神様にしていた」(同上)
 ローザおばあさんはドイツから来日しました。1972年はドイツのミュンヘンで五輪が開催された年でもありました。
 
"Elle [grand-mère Rosa] et madame Yoneda, accompagnées par Mina, ont bien voulu nous interpéter beaucoup de chants de Noël. (…) Les deux voix qui ne se séparaient plus depuis de longues années étaient proches comme s' il en était ainsi bien avant leur naissance.(…) " (id.)

 Grand-mère Rosa est venue d' Allemagne. L' année 1972 fut celle de Jeux de la XXe olympiade à Munich.





♪ ドイツのクリスマス歌曲「高き天より我は来たれり」
♪ Vom Himmel hoch, da komm ich her


 クリスマスの翌朝、主人公の芦屋での幸せな暮らしはゆるやかに終りへ向かいます。次の二枚目の写真は芦屋警察署(玄関は昭和2年築)です。ファサードのフクロウはあの夜の出来事を覚えているでしょうか。

 Le lendemain matin de Noël, le séjour heureux de l' héroïne chez Mina se mit à finir. Est-ce que ce hibou de la façade (complétée en 1927)du Police de Ashiya connaît l' évènement de la nuit ? 


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「べっぴんさん」の家の玄関は芦屋警察署のと似ています。フクロウ以外は…



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 さて、このキルシュ風味のケーキのお味は…?ひと口食べた瞬間、子供のころ白いクリームのケーキが苦手だったことを思い出しました。大人になって食べられるようになったと思い込んでいましたが…じつは昭和風のケーキは、snowdropにはどっしり重すぎるんですね!
 少ない家族で食べ切れるかしら…不安になったところで、家族から「美味しい!おかわり!」という声が!なつかしい味がお口に合ってよかった!!

 Cette bûche de Noël me rappelle la saveur du gâteau de mon enfance.


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雪の積もった薪の右端にキノコ 🍄 が… 右は芦屋カトリック教会で頂いた日曜のミサの案内

Sunday Liturgy of Catholic Church of Ashiya, snowdrop's calendar


聖菓には可愛い茸をのせませう

冬を耐へぬく命のしるし


on met
un champignon mignon
sur la
bûche de Noël

c' est le symbole
de la vie contre l' hiver



ハイカラでどこかなつかし薪の菓子


おせちのなかの伊達巻と似て




「swiss roll buche de noel」の画像検索結果 VS 「伊達巻 ブッシュドノエル」の画像検索結果
  
(pinterest/ル・クルーゼレシピサイト)

Datemaki (right), sweet rolled omelette mixed with fish paste or mashed shrimp.
They symbolize a wish for many auspicious days. On auspicious days,
Japanese people traditionally wear fine clothing as a part of enjoying themselves.
(from wikipedia, Osechi )

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