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海の見えるフランス窓(プルーストゆかりのホテル)
Cabourg(Balbec en RTP), France(2004)


この海を連れて帰ろうわが窓の樹の葉もまねる潮騒のうた

今日は海の日です。
Aujourd'hui, c'est la Journée de la Mer au Japon.

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海を見ながら朝ごはん*mon petit déjener(2004)

🐓🐓🐓




ヴィスコンティ監督による「失われた時を求めて」(プルースト原作)は幻に終わりましたが、
「山猫」や「イノセント」、「ルートヴィヒ」という美しい映画が残されました。

On aurait pu voir RTP par Visconti…

🐈🐈🐈


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風薫る五月、わが家のフランス窓のお話をしました。
観音開きの、床まである窓、シチリア貴族の館にも見っけ!
窓を押し開けているのは、映画「山猫」のサリーナ公爵。
大きな望遠鏡が何本も見えますね。
天体観測が彼の趣味、ソルボンヌでメダルも授与されました。
妻の名はステッラ(星)!


Au mois de mai, snowdrop a parlé sur ses fenêtres à la française.
Elle en a quelques trouvé dans une villa d' un noble sicilien.
Il est notre Duc Sarina dans le film "Le Léopard" .
Son passe-temps est l' observation astronomique.
Il a une medaille de la Sorbonne et sa femme s' appelle Stella☆


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映画はフランス窓をクローズアップしてゆく場面で始まります。
開け放たれた窓に大きく揺れるレースのカーテン。
館の家族が唱和する夕べの祈りが聞こえてきます。
南イタリアの夏の夕べは、貴族の家でも暑いのですね…

Le film commence par une scène de zoomer des fenêtres d'une villa.
Des rideaux en dentelle flottants aux fenêtres ouvertes,
Les vêpres siciliennes……il fait certainement chaud!


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窓からカーテン越しに入ってくるのは夕風だけではありません。
混迷する19世紀末イタリアの様々な事件が流れこんできます。

Non seulement le vent mais aussi des événements du mond
entrent au travers des fenêtres.


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その窓から飛び出し、ガリバルディ軍へ、ついでイタリア王国の政治の世界へ
身を投じる若者、タンクレディ。老公爵が実の息子より目をかけている甥です。

Un jeune homme saute par une des fenêtres au monde.
Il est Tancrède Falconeri, un neveu du prince Fabrizio Corbera de Salina.


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馬車で旅立つタンクレディ。乾いたシチリアの大地の埃に包まれて…
レモンやオレンジの果樹園がどこまでも広がり
赤いバラは灼熱の陽射しに形を崩しながら濃厚な香りを放ちます。

Il partit dans poussière de la terre sicilienne…
des vergers des citronnier et oragner,
des rose rouges déformés et odorantes sous le soleil ardent…


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天体望遠鏡は公爵にとって世界へ、宇宙へ続く窓です。
フランス窓から、望遠鏡のレンズから、魂は遥か宇宙へ…。
古代ローマの皇帝、ハドリアヌスの詩がsnowdropの心に蘇ってきました。

Les lunettes astronomiques sont ses fenêtres au monde et univers.
Son âme part comme celui de l' empereur Hadrian.
Bonne fin de soirée à tous, que la nuit soit belle et étoilée.



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(2014年撮影)



さまよえる いとおしき魂よ
汝が客なりしわが肉体の伴侶よ
汝はいまこそ辿り着かんとする
青ざめ こわばり 露わなるあの場所に
昔日の戯れも もはやかなわで…

(ユルスナール『ハドリアヌス帝の回想』より。多田智満子による大意)


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notre petite maison construite par un ami de mon père(5月)


Animula vagula, blandula,
Hospes comesque corporis
Quoe nunc abibis in loca
Pallidula, rigida, nudula,
Nec, ut soles, dabis iocos…
P. AElius Hadrianus, Imp.

「ハドリアヌス テルマエ」の画像検索結果


Bonus*ハドリアヌス帝の肖像(中)と市村正親(右)*Hadrianus in film&manga
お髭はギリシア風ファッションです。* The beard was a Greek fashion.

「thermae romae」の画像検索結果「テルマエromae ハドリアヌス 漫画」の画像検索結果


Bonus2*Mbappé riant & Modric souriant

「Mbappé  et Modric」の画像検索結果

Bonus3*Another Angelique

「angelique kerber wimbledon 2018」の画像検索結果

(google search)

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林檎のガトー・アンビジブル(見えないお菓子)を焼いて以来、
南瓜のをこさえてみたい、とずっと思い続けてきました。
やっと見つけた国産の南瓜を使ったのが、チョイ不格好な、これ。
ブランチにもなるようにお砂糖ひかえめ。
南瓜は皮ごと、ほくほく感を残すべく厚切りにしました。
黄色と緑がパイ層のように重なっています。
ガトー・ビジブル、「(層の)見えるお菓子」ですね!
不器用なsnowdropは「見えないお菓子」にたどり着かなくて…。

Voici mon gâteau invisible au potiron cette été,
mais non, un gâteau VISIBLE !


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ジャパン・ブルーあるいは
アズーリ(伊)やレ・ブルー(仏)を思わせる青いティーセット。
菊をデザインしたブルー・フルーテッドですが、梅雨明け前にも大活躍。
だって、ほら、取っ手に青いカタツムリが…
それに、睡蓮のかたちのキャンドルホルダーも。


Japan blue, Les Bleus, ou Azzurri ?
Blue Fluted avec chrysanthème motif
va bien avec la saison de pluie parce que…
vous trouvez un escargot et un nymphéa?


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イタリア映画「山猫」には大きなミート・パイが出てきます。
シチリアの田舎町の晩餐会、おフランス風のスープは省略して、
ボリュームたっぷりのメインで始まります。お客は大喜び!

Au dîner du village en Sicilie(Il Gattopardo
il primo piatto n' est pas de potage à la française
mais un grand pâté à la campagne .


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パイを切り分けるのは主人の役目。
サリーナ公爵(バート・ランカスター)がパイのふたを開けると
小鳥のゆで卵、ハム、鶏肉、レバー、トリュフ、マカロニが…
(映画には出てこないので、原作本から抜き書きしました)

Quand le maître ouvrit le pâté, selon Lampedusa,
il y avaient des oeufs d' oiseaux, jambon, truffes, macaroni, etc.
Trop riche pour snowdrop! Bon Appetit, Klaus!


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この日がアンジェリカ(C.カルディナーレ)とタンクレディ(A.ドロン)のなれそめ。
右にはコンチェッタ(L.モルラッキ)、ずっと従兄タンクレディを慕っていた楚々たる乙女…。
左には我らがアンジェリカ、タンクレディのアブナイ話を聞いて高らかに笑っています。
同じヴィスコンティ監督の「ヴェニスに死す」の道化の笑いを思い出します。
滅びゆく貴族階級を笑いのめすような、庶民の、野太い笑い…

Ecoutant une gaillardise de Tancredi,
Angelica rit comme le bouffon d’ un autre film, Der Tod in Venedig.
Le rire populaire et vulgaire comme si on riait la classe tombante…


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タンクレディの話に聞き入るアンジェリカの野性的な美しさ!
舌なめずりするヤマネコのようです。

美しい二人は激動の時代をたくましく泳ぎ切ってゆくことでしょう。

Bellissima Angelica écoutante son futur-mari! Comme une guéparde!
Une couple bien assorti ! Pauvre Concetta…


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サクランボ、つながっているのを見るとイヤリングにしたくなります。
きれいなサンゴの耳飾り、誰に贈りましょうか。(2016年撮影)
🍒🍒


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🍒 Pendants d’ oreilles de cerises comme corail 🍒

Pine sur Ginori  (2015)


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イタリアの傘松に一目惚れして求めたジノリのカップ(2015年撮影)


おまけ*Bonus

 Allez Les Bleus, dimanche prochain aussi ! 

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(google search)

Tour de France
passera Rouen !

Un Rouennais dit, bon courage aux Japonais contre les inondations !
ルーアンからメッセージです。「日本の方々、水害に勇気を失わないで!」


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わが庭の高砂百合(2015年撮影)* 早くこの雨がやみますように…


 漱石の白い百合は西洋の花なのだろうか。もう一度、『それから』と『夢十夜』の百合の場面を読み返してみよう。

「雨は依然として、長く、物に音を立てて降つた。二人は雨の為に、雨の持ち来す音の為に、世間から切り離された。(…)二人は孤立の儘、白百合の香の中に封じ込められた」

「すると石の下から斜(はす)に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。見る間に長くなつて丁度自分の胸のあたり迄来て留まつた。と思ふと、すらりと揺ぐ茎の頂に、心持首を傾(かたぶ)けてゐた細長い一輪の蕾が、ふつくらと瓣(はなびら)を開いた。真白な百合が鼻の先で骨に徹(こた)へる程匂った。そこへ遥の上から、ぽたりと露が落ちたので、花は自分の重みでふらふらと動いた。(…)」


 ここには、西洋の爽やかな夏とは対照的な日本の湿気が感じられる。


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Soseki' s white lily is Western one? Snowdrop read again Soseki's works. For example, the below scene is full of the humidity typical of Japanese climate, contrary to European one.

"They were cut from the world by the rain, by the rain-falling sound. (…) They were still alone, closed in the smell of white lilies." (And then * trans. by snowdrop)



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 漱石の『虞美人草』には、虞美人草(ヒナゲシ)の銀屏風が出てくることが知られる。これを描いたとされる酒井抱一は、江戸時代後期の琳派画家である。ただし、銀地に真紅の虞美人草を描いた美しい屏風は、じつは現存しない。漱石の空想の産物とも言われる。(NHKの「日曜美術館」で復元作品が紹介されたことがある)
 ここでsnowdropが注目したいのは、現存する酒井抱一の銀屏風、「夏秋草図屏風」の白百合である。

It is known that The Poppy by Soseki refers to a folding screen representing red poppies on the silver ground by SAKAI Hoitsu, a Rinpa painter in the late Edo period. This beautiful screen does not exist. They say that it is propably Soseki's imagination.


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酒井抱一「夏秋草図屏風」(部分)『酒井抱一と江戸琳派の全貌』
Summer and autumn flower plants by Sakai Hoitsu(detail)


 これが抱一の銀屏風に描かれた白百合である。染み一つない白百合。おなじ琳派の鈴木其一が描いた斑入りの山百合(図版は末尾)と比べると、その純白がきわだつ。
 抱一を好んだ漱石は、この有名な銀屏風を見たことがあるに違いない。銀地の虞美人草図屏風も、ここから構想したのかもしれない。

Here are white lilies on the silver ground painted by Hoitsu. These immaculate lilies are different from spotted ones by Suzuki Kiitsu, an another Rinpa painter. Soseki, a Hoitsu-lover, must have seen this famous silver screen. It might have inspired Soseki to imagine that silver screen of red poppies.


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 こちらは大和文華館で今年撮影したササユリである。咲き初めの薄紅色が愛されるが、ひらき切ると白くなる。すくすく伸びれば、胸の高さほどまでになる。漱石はどこかでこの野の百合を見たことがあったかもしれない。『夢十夜』の百合はこちらだろうか。ただし、香りはそれほど強くない。
 それに、三千代が抱えてきた百合は花屋で売られていた。ササユリは花屋に並ぶような花ではなさそうだ。

Here is Lilium japonicum, that turns from pink to white while opening. It grows upward in front of a man's chest. Did the author see this kind of lily in somewhere? Is this the white lily of Ten Dreaming Nights ? But the smell is not so strong as depicted in the novella. As for the lilies that Michiyo (And then) brought to Daisuke, they were the ones in a flower shop. But Lilium japonicum is a wild flower.


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 『それから』の百合も『夢十夜』の百合も、白の色と強い香りが強調されている。けれども、花びらの具体的な描写はない。じつは漱石は写実描写にすぐれた作家であった。たとえば木蓮の白はこのよう表されている。

「徒らに白いのは寒過ぎる。(…)木蓮の色は夫ではない。極度の白きをわざと避けて、あたたかみのある淡黄に、奥床しくも自らを卑下して居る(…)」(『草枕』)


The lilies
in both works have the strong smell and white colour. But there is no realistic depiction of the petals, such as the magnolia in Grass Pillow

“ The pure white looks icy. (…) The white of the magnolia is not so. It declines the extreme white and prefers the warm cream colour humbly. (…) ” (trans. by snowdrop)
 


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 漱石の白い百合は細部が描写されていないため、品種を特定することは難しい。強い香りと白い色が強調された彼の百合は、抱一の描いた日本の百合と、西洋のマドンナ・リリーとが重なって生まれたイメージのなかの百合なのかもしれない。

It is difficult to identify the kind of the white lily in Soseki's works. His lily with white petals and strong smell might be the imaginary one that was born from the Japanese white lily painted by Sakai Hoitsu and from the Madonna lily depicted by Western painters and writers.


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鈴木其一「夏秋渓流図屏風」(部分)『酒井抱一と江戸琳派の全貌』
Suzuki Kiitsu's mountain lily (detail)

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わが庭の高砂百合(2015年撮影)*Formosan lily


 夏目漱石の小説『それから』に出てくる白百合の品種は何か?こう問いかけるのは、『漱石の白くない百合』を著した植物学者、塚本裕一氏である。曰く、
 日本の白百合の代表格、山百合には黄色の筋や赤い蕊があり、間近では純白には見えない。漱石の白百合は遠目のイメージ、あるいは西洋の白百合を思わせる。
 西洋の白百合とはマドンナ・リリー(聖母の百合)である。日本では鉄砲百合がこれに近い。

 The white lily in a novel And then by Natsume Soseki, what kind of lily is that ? A botanist, Tsukamoto Hirokazu asks in his book, Soseki's lily that is not white.
 According to him, Japanese represntative white lily, the mountain lily does not look white because of its yellow spots and red stamens. Soseki's white lily might be the mountain lily(golden‐rayed lily)seen from a distance or the Western lily(Madonna lily). The Madonnna lily is similar to the trumpet lily(Easter lily)in Japan.


「それから 映画 藤谷美和子 百合」の画像検索結果

映画「それから」(google search)*これは鉄砲百合?
trumpet lily(?) *  And then (film)


 snowdropは塚本氏の本を閉じた。『それから』を本棚から出してきて、拾い読みしてゆく。主人公代助と、その友人の妻三千代の心が寄り添うとき、そこにはいつも白百合の香りと雨の音がある。

「三千代は何にも答へずに室の中に這入て来た。セルの単衣の下に襦袢を重ねて、手に大きな百合の花を三本許提げてゐた」
「雨は依然として、長く、物に音を立てて降つた。二人は雨の為に、雨の持ち来す音の為に、世間から切り離された。(…)二人は孤立の儘、白百合の香の中に封じ込められた」


(『それから』より。母の持っていた漱石の本はすべて旧仮名遣いです)


Snowdrop changed her books from the botanist's to Soseki's original, And then in her mother's bookshelf. Whenever the hero Daisuke and heroine Michiyo understand the feelings each other, there are the scent of white lilies and sound of rain.

"(…)They were cut from the world by the rain, by the rain-falling sound. (…) They were still alone, closed in the smell of white lilies." (And then * trans. by snowdrop)



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 漱石の百合といえば、『夢十夜』の百合が知られる。黒い瞳の女の墓標から咲いた純白の百合である

「すると石の下から斜(はす)に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。見る間に長くなつて丁度自分の胸のあたり迄来て留まつた。と思ふと、すらりと揺ぐ茎の頂に、心持首を傾(かたぶ)けてゐた細長い一輪の蕾が、ふつくらと瓣(はなびら)を開いた。真白な百合が鼻の先で骨に徹(こた)へる程匂った。そこへ遥の上から、ぽたりと露が落ちたので、花は自分の重みでふらふらと動いた。(…)」

Soseki's most famous lily appears in Ten Dreaming Nights. It is a white lily opened up from a black-eyed lady's tomb, upward in front of the hero's chest.


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『それから』の三千代と『夢十夜』の女との間には共通点がある。大きな黒い瞳である。

「三千代は美くしい線を綺麗に重ねた鮮かな二重瞼を持ってゐる。眼の恰好は細長い方であるが、瞳を据えて凝(じつ)と物を見るときに、それが何かの具合で大変大きく見える」(『それから』)

「大きな潤(うるほひ)のある眼で、長い睫(まつげ)に包まれた中は、只一面に真黒であつた。」(『夢十夜』)

There is a common element between Michiyo in And then and the lady in Ten Dreaming Nights. ― big, black eyes.


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パレストリーナ(1525-1594)モテトゥス「マリアは天に昇らせたまいぬ」「いばらの中のユリのごとし」
https://www.youtube.com/watch?v=DxezcOzchoI


 漱石には、英国留学中に学んだイギリス文学を翻案した作品もある。アーサー王伝説を題材にした『薤露行(かいろこう)』(1905年)。『夢十夜』(1908年)の3年前に書かれた短編である。

「息絶えて、身の暖かなるうち、右の手にこの文を握らせ給え。(…)隙間なく黒き布しき詰めたる小舟の中にわれを載せ給え。山に野に白き薔薇、白き百合を採り尽くして舟に投げ入れ給え。―船は流し給え」(『薤露行』)

 この少女エレーンのセリフ回しは、『夢十夜』の女のそれとよく似ている。

「死んだら、埋めて下さい。大きな真珠貝で穴を掘って。そうして天から落ちて来る星の破片(かけ)を墓標(はかじるし)に置いて下さい。そうして墓の傍に待っていて下さい。また逢いに来ますから」(『夢十夜』)

Soseki wrote a novella Kairoko(1905) an adaptation of the legend of King Arthur three years before Ten Dreaming Dreams (1908). Lily Maid's words in the former are similar to those of the lady in the latter. "When I die, …"


「film anne of green gables lady of sharotte boat」の画像検索結果

映画「赤毛のアン」*エレーンごっこをするアン
(google search*film*Anne disguising herself as Elaine, Lily Maid)



 漱石の白い百合をめぐって、『それから』から『夢十夜』へ、そして『薤露行』へとさかのぼる白い糸が見えてきた。原点にはアーサー王伝説が…それでは、漱石の白百合は西洋の花なのだろうか?植物学者ではないsnowdropは、美術史家気分で考えてみよう。(つづく)

Snowdrop has found a white thread from And then to Ten Dreaming Nights and Kairoko, whose origin is the Arthurian legend. Then Soseki' s white lily is Western one? Snowdrop will consider that as if she was an art historian, not a botanist.


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(To be continued)

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ローテンブルク(2004年)


正三角形を二つ組み合わせると、「ダビデの星」(六芒星)(✡)というしるしになる。これはドイツのローテンブルクで見かけた看板。早朝で入れなかったけれど、蝋燭やさんだろうか。ユダヤ教独特のかたちの燭台などを扱うお店だったのかもしれない。

The hexagram(✡)is called the Star pf David. This signboard in Rothenburg might have been a Jewish chandler's(2004).


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「mentholatum vories」の画像検索結果

ウィリアム・ヴォーリズが設計した建築には、「ダビデの星」のモチーフがちりばめられている。大丸心斎橋店エレベーターの時計にも…(現在建替中)。ヴォーリズは博愛と奉仕の精神に貫かれたクリスチャンだった。メンソレータム(pinterest)を日本に普及させたのも彼だった。

William Merrell Vories often used the Star of David in his architectural design. He was a pious Christian and diffused Mentholatum in Japan.


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オオイヌノフグリ*ハナニラ


花韮(ハナニラ)は「ベツレヘムの星」または「ダビデの星」とも呼ばれるとか。たしかに真上から見ると、六芒星()に見える(京都府立植物園、4月撮影)。

The spring starflower is also called the Star of Bethlehem or Star of David.


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 ダビデは旧約聖書や詩編に登場する古代イスラエルの王。曾祖母はルツ、ミレーの「落穂ひろい」のモデルにもなった賢い女性だった。ミケランジェロのダビデ像は、ペリシテの戦士ゴリアトを倒した若き日の勇姿をあらわしている。(図版は末尾) ダビデの奏でる竪琴はイスラエルの先王サウルの心を癒した。
 しかし晩年、老王ダビデは家臣の美しい妻を我が物にするため、その家臣を戦死させてしまった。聖書の登場人物の多くはこうした弱さを秘めている。

David is the second king of Israel in the Hebrew Bible. His great‐grandmother was Ruth. Young David killed the giant Goliath. Many Psalms have been attributed to him because he played the harp very well. But old King David loved the wife of Uriah, Bathsheba and made him die in the battlefield. Not a few characters in Bible have the mortal weakness.


ハープを弾くダビデ少年*David playing the harp (pinterest)
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映画「さよなら子供たち」でボネが弾くシューベルト(2:11~)
♪ Schubert in the film Au revoir les enfants(2:11~)
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「ダビデの星」は大戦中、ナチスによってユダヤ人の目印にされた。ユダヤ人の家の扉には六芒星がペンキで描かれた。映画「さよなら子供たち」では、ユダヤの少年ボネがカトリックの寄宿学校に匿われるが、最後に見つかってしまう。心弱き一人の男の密告のせいだった。

The Star of David was used by the Nazis as the mark of the Jewish people. In this film, a Jewish boy Jean Bonet was sheltered in a Catholic boarding-school but at last found because of the betrayal of a weak man.


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ボネはピアノが上手だった。寄宿学校の音楽教師の前でシューベルトを弾くと、彼女の顔色が変わった(上の写真)。シンプルだが憂いを湛えた旋律を、子供離れした歌ごころで奏でたからだ。ときには友人ジュリアンといっしょにジャズを立ち弾きした。生きていれば、彼はキース・ジャレットのようなピアニストになったかもしれないのに!

Jean played the piano very well. His expressive performance of Moments musicaux D 780 Op.94-2 moved the music teacher. He sometimes enjoyed jazz improvisation with his friend, Jurian. If Jean had survived, he might have become an excellent pianist like Keith Jarrett!


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Marcel Proust nicknamed "Oriental Prince"(photo in 2016)

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 (pinterest)

ボネはもう一人のアンネ・フランクだった。アンネも大人になれば、プルースト()のように、独自の視点で物事を鋭く観察する文筆家になったかもしれないのに!
プルーストはユダヤ系の母をもち「東洋の貴公子」とあだ名されたフランス作家。『失われた時を求めて』において、19世紀末から第1次世界大戦頃までのフランス社会を活写し、弱くも複雑な人間の心理を深く掘り下げた。

Jean was an another Anne Frank.
If Anne had become an adult, she might have become a writer with the acute power of observation, just like M. Proust!


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アンネ・フランクの思い出*Souvenir d’ Anne Frank


さまざまな色の花びらは、アンネが秘めていたさまざまな可能性をあらわしている。
Various tints of this rose represent various possibilities of Anne if she had survived
.


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むかしキャンパスでよく見た庭石菖 (賀茂川、2017年)Sisyrinchium rosulatum


フランス語の「さようなら」は「また会おう」…友から聞きし二十歳(はたとせ)のころ

"sayonara" is

"au revoir" in French !
both I and my friend
who taught me that
were around twenty years old

*第2外国語がドイツ語だったsnowdropに、フラ語選択の友達が教えてくれました。
ちなみに、永遠の別れの言葉は「アデュー(adieu)」です。


また会おう子供たち」*Au revoir les enfantsc0345705_15485778.jpg

















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ミケランジェロ「ダビデ」ミレー「落穂ひろい」(google search)

おまけ*Bonus

「シャーロット・ランプリング バラ」の画像検索結果「mill and cross film rampling maria pinterest」の画像検索結果

薔薇の名前はシャーロット・ランプリング*映画「ブリューゲルの動く絵」にも出演

Carlotte Rampling and film Mill and Cross(pinterest)


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マルセル・プルーストの思い出*Souvenir de Marcel Proust(pinterest)


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いまはメンソレータムよりも… 🌹 aujourd'hui, plutôt que Mentholatum…
(google search)
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相似形のような欅(けやき)若葉*Zelkova serrata



姉さまの真似つこしてるのやうな葉つぱのあさきくれなゐ

comme une petite sœur
imitant sa grande sœur
un brin de feuilles roses est mignon


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♪ 窓を開ければ…洗濯機へ続くレンガ道


夏日になると、外出がおっくうになります。冬生まれは暑さに弱くて…。
1970年代に父の友人が設計してくれた我が家は、昭和モダンの小さなおうち。
ダイニング(サンルーム)のガラス窓が、Π 字形に並んでいます(写真は 部分)。
今年はたと気づきました。この扉って、フランス窓?!子供のころからの憧れの…
知らなんだ!!

Snowdrop reste chez lui parce qu' il fait trente degrés.
Le dessinateur de sa maison (1970s) est un ami de son père.
Sa famille aime le solarium avec des fenêtres à la française.


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Lettres de la Fenêtre à la française (manga en 1970s)
Toujour Chopin dans ma Poche (1980s) , Barcarolle de Chopin



大事なことはみんな少女漫画から教わりました。音楽、バレエ、美術、歴史、etc.
まあ、秋風先生、菱本秘書とうふふしています♡ 締切りは大丈夫なんですか?
まるでモネの絵のような、大堰川(嵐山)風景…

Ce qui est important, elle l’ a rencontré dans manga!
e.g. la musique. le ballet. l' art, l' hisoire, etc.
Elle trouve dans cette scène de la Oui, Arashiyama,
un portrait d' un dessinateur () et une des toiles de Monet.
https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/cast/akikaze_haori.html

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モネの「舟遊び」をショパンの「舟歌」にのせて… ♪ Barcarolle by Chopin



「tazzio venice piano pinterest」の画像検索結果「半分青い タジオ クロッキー」の画像検索結果「オルフェウスの窓 ユリウス pinterest」の画像検索結果

右は池田理代子『オルフェウスの窓』(google search)
左が元祖タジオ(タッツィオ)(映画「ヴェニスに死す」*トーマス・マン原作)
中は朝ドラ「半分、青い。」より*より正人がタジオっぽい…?

Tazzio is a nickname of the heroine's boy friend the above manga artist gave(




映画「ヴェニスに死す(Der Tod in Venedig)」の秋風羽織(アキカゼハオリ)、いえ、アッシェンバッハです。
音楽はマーラーの「アダージェット」、
若き妻への恋文にして亡き母への手紙ともいえる名曲… 名画の映像とともにどうぞ。お時間が許せば…

Adagietto by G. Mahler is a love letter to his young wife and a letter to his mother in Heaven.


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おまけ*ヴェニス(1999年)*Bonus*Die Freude in Venedig von snowdrop

フランス窓からドイツ作家原作のイタリア映画へ、そしてヴェネツィアへ…脱線してすみません。

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ドライブを終らせたのは俄か雨それとも戸惑ふ僕らの心 さねかた


C' a été l' averse qui fit finir notre randonnée en voiture
ou nos coeurs
embarrassés ?



雨は降る降る、色あひ深く花房長く咲きたる藤のごとく… 清子
(恋文ペン字)


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この歌物語は清少納言と藤原実方の史実に基づくフィクションです。



ごめんなさい。本当は知っているのよ。貴方が社長の息子の帽子を素っ飛ばした訳。中宮女史にカノジョを取られて、まるでプルーストの小説だ!ってからかわれたんでしょう?(注*プルースト『失われた時を求めて』では、主人公の男性が、彼女とその女友達との仲に嫉妬する)
 …それに、あの日、真っ赤なポルシェを恥ずかしがってごめんなさい。分かっていたの。私を元気づけたかったのよね。 あんなベタな車、貴方の洗練された美意識とは真逆(まぎゃく)だもの…
 あの頃の私、ちょっと辛かったのよ。中宮編集長を助けてさしあげたいのに力が足らない。ちっぽけな私にとって、未来という時間は藤房のように長すぎて、どう生きたらいいか分からなくなって…

 
Pardonne-moi,
à vrai dire, je sais la raison de ta colère
le fils du general dit “Qui vous a piqué votre petite amie, la rédactrice en chef, ou la France? Vous êtes comme les personnages de RTP, le héros, Albertine et une amoureuse (!) d’ Albertine

Pardonne-moi, je ne devais pas être gêné du Porsche rouge ! Je savais
tu voulais m’ encourager. Ce cabriolet est exactement opposé à ton sens esthétique raffiné !

J’ étais dans une situation dure
Je me sentais si impuissante pour aider Mme Nakamiya. L’ avenir me semblait trop long comme la grappe de glycine.



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白藤紫藤が同時に…


 

そうそう、メイルに添付してくれていた、街角の藤の写真をありがとう。覚えてる?車から降りて、野原でカメラを構える貴方に、私が意地悪を言ったこと。貴方はいつもきれいな所ばかり切り取る。その場の空気が伝わってこない、取り澄ました写真ばかり。世界ってそんな薄っぺらいものじゃないわ。…

ごめんなさい。貴方に濁ったものが見えていなかった訳じゃないのに。貴方はいつもきれいなものだけ選り分けて私に届けようとしていた。私を守ろうとしてくれていた…


Quant à glycine, merci de ton photo annexe des glycines dans ta ville. Tu te souviens? Je te dit mal quand tu prenais des photos dans la prairie. ― Tu prends toujours quelque chose de beau seulement. On ne peut pas sentir l’ atmosphere des lieux par tes photos. Le monde n’ est pas si beau comme ça !

Pardonne-moi, tu voyais quelque chose de sale aussi. Tu essayais de m’ offrir quelque chose de beau seulement, de me protéger



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大丈夫。いま私はここで一人で立っています。編集長の急死を潮に雑誌の世界からは離れたけれど、アート翻訳の仕事が軌道に乗りましたし。…日本へ帰らないのかって?そうね、帰る日も来るかもしれませんね。でも、いまはここでの毎日が楽しくって!
 目に映る、耳に響く、肌で感じる季節のうつろい。ゆかしい街の佇まい。さまざまな人間の営み…日本人の私だからこそ、鮮明に見えてくるものがあるのよ。

Ne t’ inquiéte pas. Maintenant je suis deboute ici, toute seule. Bien que la mort subite de Mme Nakamiya m’ ait éloigné du monde de la revue, j’ ai commencé la traduction dans le domaine de l'artMon retour au Japon? oui,peut-êtreun jour, mais maintenant je suis heureuse ici!
La saison je savoure par mes cinq sens, les amis, mon compagnon chien, une cathédrale en forme de chat
. Il y a quelque chose que une japonaise seule peut trouver ici.


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散りシャクナゲ(室生寺、4月下旬)* rhodos tombés, Murou-ji


 プルーストのリンゴの花、サンザシの花はもちろん、日本を想わせる藤も、石楠花も、姫踊子草も咲くの。花は海を越えて東洋と西洋を結んでいるのよ…
 驚かないでね、私、畑の野菜で七草粥を炊くし、桜餅もこさえるの。日本にいた時は忙しくて、節句にまで気が回らなかったのに。いま、野の花を一針、一針刺繍していると、あの日の草原の風が吹いてくるよう…。

Non seulement l’ aubépine et pommier de Proust mais aussi le paulownia, rhodos, lamier pourpre, etc. ils fleurissent ici comme au JaponLes fleurs nous unissent à travers le monde.

Je cuisine osechi-ryori à la main, brode, et tricote. En brodant des fleurs sauvages sur un mouchoir, je sens le vent vert de la campagne en ce cabriolet.



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「牛車」の画像検索結果
真っ赤な牛車*Porsche in the Heian period (google search)



そうだ、実方さん。時間を作ってフランスへいらっしゃい。私の好きな北原白秋にならって、ココアをお出ししますから。そういえば、今年は雑誌「赤い鳥」百周年…童謡が生まれて百
年になるのね。


Viens en France un jour! Je te servirai une tasse de cocoa, d’ après KITAHARA Hakushu que j’ aime. Le 2018 marque le 100e anniversaire de
la publication de L’ Oiseau Rouge !!





ココアショップ「アカイトリ」は、2018年2月28日に閉店しました。

Cocoa shop Red Bird was closed on February 28th, 2018.

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雑誌「マリー・クレール * Marie Claire 」と香水瓶とネクタイ
この歌物語は清少納言と藤原実方の史実に基づくフィクションです。



実方さん、メールをどうもありがとう。よく分かりましたね。私のブログだと…。早いもので、こちらで暮らすようになってもう十年が過ぎました。お察しのとおり、私はフランスで詩を学び始めました。でも、勉強のためだけにこちらに移り住んだわけではありません。私はそんなに勤勉じゃないから…。


覚えておられますか。私が参加していたアート雑誌「あけぼの」の編集長、中宮定子(なかみやさだこ)さんのこと。彼女、ライバル誌「パープル」に読者を奪われ、数回のリニューアルも空しくとうとう休刊に追い込まれて…本場、フランスで巻き返すことにしたんです。それで私も一緒に…。貴方とドライブしたのは、雑誌の売り上げがじりじり落ち始めた頃でした。


Merci de votre mail. Vous avez bien trouvé mon blogue! Cela fait presque dix ans que j’ habite ici. Comme vous supposez, j’ ai commencé à apprendre la poésie européenne en France. Mais ce n'est pas la unique raison de mon emménagement

Vous souvenez-vous de NAKAMIYA Sadako (中宮定子), la rédactrice en chef de l’arts magazine Aurore que je rédigeais? Notre magazine se fit enlever une partie des lecteurs par un autre,Violet, et enfin suspendit sa publication malgré quelques reprises. Elle essaya à passer à la contre-attaque de Paris, un pays de l’ art, avec moi. Notre magazine avait déjà commencé à decliner avant le jour de notre randonnée en voiture



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父の帽子、
「マリー・クレール」の帽子 * chapeau de mon père



 そういえば、貴方も都落ちしておられたのね。ゴルフ中に社長の息子に何か言われてカッとして、帽子を跳ね飛ばしてしまったんですって?貴方はプライドが高いから…なぜそんなことまで知っているかとお思い?21世紀はネット時代ですよ。目立つ噂はSNSで瞬時に海の向こうまで届くものなの。

でも、よかったですね。平安のむかし都から遠く左遷され、そこで客死した藤原実方や道真公とは違って、貴方はまた地元に戻れて…そして、リラの花を見て思い出したのね、私たちのこと…


On disait que vous vous exiliez en province. Pendant le golf, sous le coup de la colère, vous avait renversé le chapeau d’ un fils du general de votre entreprise. Vous êtes toujours fierLe temps de SNS m’ a donné ce bruit au loin.

Mais tant mieux! Vous êtes retourné à la difference de Fujiwara no Sanekata ou Sugawara no Michizane qui mourut en province. Et des lilas, ils vous ont rappelé de mon parfum



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私の綴ったものをエセーと呼んでくれるのなら、貴方はパンセを書くといいのに。パスカルの『パンセ』風?それともレヴィ₌ストロースの『野生の思考(パンセ)』風?フランス語の「パンセ」には、(花の)パンジーという意味もあるんだ、と貴方はウィンクしましたっけ…
 それとも、ひょっとして、短歌を作っていたりして。見ちゃったのよ。貴方が若草色の手帖に緑のペンで走り書きしていた歌…


Si vous appelez mon écrit essai, vous pouvez écrire vos pensées ! A la manière de Pascal ou de Lévi-Strauss.
“La pensée signifie l’ idée, et la fleur.” Je me souviens de ton mots et ton clin d’ œil ! Ou tu peut-être écris tanka? Je l’ ai vu ! Sur un carnet vert clair…:


Quand le vent passe sur une prairie verte, le monde est devenu un cabriolet.


薫風が野辺の緑をわたるとき

世界は一つのオープンカーになる


(フォント「恋文ペン字」)


「野生の思考」の画像検索結果


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ごめんなさい。私、本当は知っているのよ。貴方が左遷された訳を…。


Pardonne-moi, à vrai dire, je sais la raison de ton exil


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手を合わせているようなリラ

(つづく*To be continued)

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♪山口百恵「プレイバックPart2」


()()

五色月(いついろづき)いろさまざまな躑躅(つつじ)君へ贈らん花箱として



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この歌物語は清少納言と藤原実方の史実に基づくフィクションです。


私は改めて一つ目のブログを開いてみました。いや、清子さんはやはり日本語で綴ったに違いない…このエセーは「草の匂い 雨の匂い」というタイトルから始まる…

 
J’ ai lu le blogue en japonais encore une fois. Malgré tout, Seiko doit avoir écrit celui-ci parce que cet essai commence par "L’ odeur d’ herbe, l’ odeur de la pluie."


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 覚えていますか。私たちがドライブした五月のあの日。オープンカーをレンタルして、萌黄色のネクタイを締めて、朝まだき貴女を迎えに行ったら…

「まあ、実方さん。まるでプレイバックPart2じゃない!いやよ、わたし。悪目立ちするの…」
「大丈夫。暗いうちに町を抜けて、誰もいない草原へ行って、屋根を開けて、風を感じるんだ。きっと気が晴れるよ」
 清子さん、あのころ貴女はあまり元気がなかった。それでも、いざ車に乗り、日が昇り、タンポポ咲く野原へ出ると、貴女のはしゃぎっぷりったらなかった!


Tu te souviens? Le jour du moi de mais quand nous avons fait une randonnée en voiture. Au petit matin je portait une cravate verte claire et te pris en voiture, Porsche Cabriolet. Tu crias.

“ Mais non, Sanekata! Comme les paroles du chanson Playback Part2 !() Tout le monde nous regarderont! ” 

“Pas de problème, nous passons la ville avant le jour et arriverons une prairie déserte. Le vent vert te distraira en cabriolet.”

Seiko, tu étais déprimée en ce temps-là. Cependant tu as commencé à crier joyeusement dans la prairie.



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Les Promenades de Marcel Proust 
de Nadine Beauthéac

真っ赤なポルシェ?a scarlet Porsche running through the green field(paroles)


「まあ、実方さん!なんて、青空!なんて、草の匂い!」

 朝じめりの残ったヨモギやタンポポの葉を車輪が轢いて、青臭い匂いが立ちのぼってきたのです。
「あら、草が車の中へ入ってきたわ、それっ、ああ、取れない…」
 そういえば、清少納言は牛車で山里にあそび、車輪に押しひしがれた蓬の葉が間近にうちかかるさまを『枕草子』第223段に生き生きと綴っていましたっけ…


“ Superbe, Sanekata! Le ciel bleu!! L’ odeur de herbe!!! ” 

L’ odeur montait des feuilles d’ estragon et de pissenlit, humides de rosée et écrasées par roues.

“ Tiens, un brin entre dans la voiturehop! ― zut, je ne peux pas l’atteindre

Comme un des notes par Sei Shonagon! (n. 223)



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♪ドビュッシー「音と香りは夕べの大気にめぐりくる」
♪ Debussy
Les sons et les parfums tournent dans l'air du soir



 湖のほとりで車を降り、古びた木のベンチに並んで座って、目と目が合った時、ふと風がやみました。小鳥の声も遠ざかりました。先ほどから広がっていた雲がすべての音を吸い取ってゆくようです。と、草の匂いにまじって、かすかな香りが…
「香水、つけるようになったの?」

「ええ。旅先で見つけたの。」

「パリ?」

「そう。サン・ルイ島のイギリス化粧品のお店で…」

「ひんやりしてて、清らかで、甘美で……雨上がりのリラの薫りだ」

「ふたたび見出された庭、という名前なの」
「まるでプルーストだね」

 それから、リラは二人にとって特別な花になりました。

Nous descendîme de la voiture au bord d' un lac et assîme sur un vieux banc. Nos yeux se rencontrèrent. Le vent tomba. Le gazouillement cessa. Le ciel est déjà couvert de nuage qui absorbait tous les sons. Alors un parfum léger se mêlait à l’ odeur de herbe

“ Tu as commencé à se parfumer?

“ Ouije l’ai trouvé pendant mon voyage”

“ À Paris? ”

“ Dans un magasin de produits de beauté de l' île Saint-Louis”

“ Frais, pur, suavecomme un parfum de lilas après la pluie ”

“ Il s’ appelle Jardin retrouvé. ”

“ Comme le monde de M. Proust! ”

Depuis le jour, le lilas est devenu notre fleur.



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「清子の返信メイル ― 平成枕草子3」(5月11日)へつづく

(To be continued)
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この歌物語は幾つかのブログからインスピレーションを貰って綴ったフィクションです。

Ce tanka (haiku)- récit est une fiction inspirée par quelques blogues de mes blogue-amies en France.



これまでのお話。読まなくても楽しめると思います。(2017年5月3日)


 まるで北国の春…どんどんと咲き継ぐ桜、桃、蘇芳、山吹、藤、躑躅(ツツジ)…平安の昔ではありません。平成三十年の春、私が貴女に手紙を出してから一年後の春です。去年の手紙は宛先不明で帰ってきてしまいました。リラは花が散ると枯れ木のようになり、根づかなかったのだ、と私は唇をかみました。
 ところが、桜が一気に開花した四月上旬、私は、あの公園でふたたび出会ったのです。陽光をあびて咲きほこるリラの花に…。

Comme le printemps du pays du nordoù des fleurs variées sont en fleurs presque en même temps. Pas de celui de l' époque de Heian, mais de Heisei, 2018, l’ année suivante du premier lilas dans un jardin de ma ville. La lettre je t’ avait envoyé est retourné : “destinataire inconnu à l' adresse indiquée”. Des lilas sont devenus comme des arbres mortsils n' ont pas raciné, tant pis! Mais au début d’ avril, j’ ai retrouvé des lilas en fleurs, dans le soleil cette fois !!


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 リラは五月の花ではなかったか。帰宅した私は、四月から五月にかけて咲く花をネットで検索してみました。そしたら、フランスに住む日本人女性のブログが出てきたのです。「春は、夕空」「春は、幸せ」― 何てなつかしい文体のエセー…
 これは清少納言の生まれ変わり、清子さんの文章ではないでしょうか。清子さん、貴女はフランスへ渡っていたのですか。


La floraison du lilas est le mois de mai, ou avirl ? J’ai navigué sur Internet, où j’ ai trouv
é un blogue par une japonaise qui habite en France. Il a été un essai du style de Notes de chevet de Sei Shonagon. Par example, "Au printemps, c’est le crépuscule que je préfère."
Seiko, une réincarnation de Sei Shonagon, écrit cet essai ? Seiko, tu es en France maintenant ?



Merci beaucoup, echalote-san!

 手紙を書き直そう。フランスへ、エアメイルを出すべきだったんだ。私は机に向かい、薄い便箋を広げ、万年筆を握ってはたと気づきました。ブログでは住所がわからないじゃないか!
 私はメイルを書き始めました。ノートパソコンを膝に置いて、公園のベンチで…

Je dois écrire à nouveau. J’ aurais dû envoyer ma lettre par avion! Quand j’ ai tenu mon stylo, je me suis aperçu mon erreur. Le blogue est sans domicile actuel ! J’ai commençé à écrire un e-mail, mon ordinateur portable sur mes genoux, sur un banc dans le jardin.


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 ここからは藤のほかに、花水木も見えます。公園の小さな舞台にゆれる白い花…清子さん、貴女が日本の詩歌とフランス詩を交互に朗読したのも、こんな野外の舞台でしたね。

 白いドレス姿の貴女は、ほっそりとした花水木そっくりでした。その白い花がすべて上を向いているように、貴女も胸を張り、夕べの空へ届けとばかりに高らかに朗誦しました。
 詩歌は声に出してうたってこそ、言霊が宿るのよ、貴女はそう語ったものです。

On voit d' ici les lilas et un cornouiller à fleurs, des fleurs blanches sur une petite scène de verdure. Tu déclama des haïku, waka et poèmes français sur une scène comme ça. ― Luth, compagnon de ma calamités (celui que snowdrop déclama en classe)

Tu as été un cornouiller dans la soirée! Tu regardais en haut comme une fleur de cornouiller et lisais à haute voix vers le ciel. Selon toi, le mot déclamé a kotodama (mot-âme).



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天仰ぐ 花ばかりなり 花水木

ten aogu hana bakari nari hanamizuki
vers le ciel bleu
regardant en haut tous les fleurs
d' un cornouiller à fleurs


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 じつは私は遅筆です。数日もたつと、ついつい推敲したくなって…(わが前世の藤原実方のDNAはずいぶん弱まってしまったらしい)。ようやくメイルの下書きを綴り終えた頃、私はもう一つのブログを見つけました。それは何とフランス語の『枕草子Notes de chevet)』!

  清子さん、貴女は日本語もフランス語も同じくらい愛していました。どちらのエセーが貴女のものであってもおかしくありません。姫林檎の咲く窓辺と、躑躅の咲く庭と、そのどちらに貴女はいるのでしょうか。

Quelque semaines après, quand j’ ai fini d’ écrire une lettre, j’ ai trouvé un autre blogue en français, dont le title est Notes de chevet !! Seiko, tu aimais japonais et français. Il est possible que tu écrives celui-ci en japonais ou celui-là en français. Où es tu, près une fenêtre avec un pommier à feuilles de prunier ou dans un jardin d’azalée chinoise et japonaise ?


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もう一つのフランスのブログから図版をお借りしました
http://doudou.gheerbrant.com/?p=24462
un des images du blogue, Notes de Chevet*Merci beaucoup, grillon!

(明日へつづく)
(To be continued)


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