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氷室神社の睡蓮(2015年)
NHK「宮沢賢治 銀河への旅」(録画写真)(以下同)


睡蓮の挿絵入り、欄外左に明星派の短歌が印刷された日記帳…
日付は大正十年七月十八日。
「宮澤賢治面会来」とのみ記され、斜線が引かれています。
これを書いたのは
保阪嘉内。
宮澤賢治の学友であった人です。

A diary with an illustration of water lilies
dated of the eighteenth July 1921.
Written only "MIYAZAWA Kenji came to meet me.",
which is crossed out with two diagonal lines.
The owner of this diary is a schoolmate of Kenji,
HOSAKA Kanai

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奥が賢治、手前が嘉内(大正5年)
Kenji (back) and Kanai (front) (1916)


盛岡農林高等学校の同人誌『アザリア』で文筆をふるい
社会人になってからは農村改良運動に打ち込みました。
まるでもう一人の賢治のような。
けれども、この日記が書かれた日、二人の友情は破綻し
じかに再会することは生涯ありませんでした。

He would contribute his essays and tanka
to their literary coterie magazine Azalea
and devoted his life to a movement to improve rural areas.
Like another Kenji ?!
But on the above day their friendship broke up
and they did not meet again.


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大正五年に学校の植物園で撮られた写真を見ると、
手前に寝そべる嘉内がリーダー格であった事がうかがえます。
じじつ、彼が脚本を書いた創作劇「人間のもだえ」の配役は
主役のアグニ神(全能の神)が嘉内、
準主役のダークネス神(全智の神)が賢治でした。
自分を主役にした脚本を手がけるとは、嘉内はかなりの自信家ですね!
賢治はこの才気あふれる友人から大きな影響を受けました。
『アザリア』での筆禍事件で友が退学してからも文通を続けました。

This photo shows Kanai (front) was a leader of the coterie.
In fact, in his original play Agony of the Man,
he himself played the hero Aguni God and
his best friend Kenji played Darkness God.
Kanai must have been a confident boy!
Kenji was influenced by this talented friend.
After Kanai left school, they continued correspondence.


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菅原千恵子『宮沢賢治の青春』によれば、
二人の仲が決裂したのは
賢治が嘉内を日蓮宗に入信させようとして果たせなかったからのようです。
学生時代の嘉内は、どちらかというとキリスト教に心を寄せていました。
思うに、
学生時代から、嘉内より賢治のテンションが常に少ぅし高かったのでは…
社会に出てからは体をこわし、実家の質屋を鬱々と手伝ったあげく
日蓮宗の団体に奉仕すべく上京するも、肩すかしを食らい…
そこへ久々に旧友にじかに会い、気持ちが爆発したのでしょう。
いまふうに言えば、嘉内が「ドン引き」したと想像されます。

According to The Youth of MIYAZAWA Kenji,
Kenji tried to make Kanai enter Nichiren school of Buddhism in vain
, which led to their parting.
Kanai in his school days was interested in Christianity.
Kenji was a little more ardent than Kanai, wasn't he ?
After graduation, he lost his health,
reluctantly helped his family business,
ran away from home to serve the communion of Nichiren school
but the activity there was not challenging for him…,
when he met again his old friend after a long separation
and his passion might have exploded.
Kanai might have been confused with Kenji's furious tone.


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けれどもこの日記を見ると、嘉内はけっして賢治を拒絶したのではないと思えます。
なによりまず、文学青年らしい日記帳のチョイスに目を見張りました。
ビアズリーふうの睡蓮のイラスト、短歌は与謝野鉄幹のものでしょうか。
思えば、あの創作劇のタイトル「人間のもだえ」は、鉄幹の一首をふまえています。
「われ男(を)の子 意気の子 名の子 つるぎの子 詩の子 恋の子 あゝもだえの子」(鉄幹)

But this page of Kanai's diary reveals that
he never refused his friend in his heart.
The delicate design of Kanai's diary shows
he was still a delicate lover of literature.
A printed tanka in the margine is by YOSANO (Tekkan or Akiko) .
The title of Kanai's play Agony of the Man had derived from
Tekkan's famous tanka as follows.
"I am a man, a man of spirit, a man of honor, a man of sword,
a man of poem, a man of love, ah! a man of agony! " (tr. by snowdrop)


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堺の植物園で(2015年)


軍隊に入営していても、嘉内は文学青年らしさを保っていたのでしょう。
あの日記の頁…
「宮澤賢治」の名前に掛からないように、すっと引かれた斜線からは
嘉内の繊細な優しさが感じられます。

Kanai should have kept his sensibility as a lover of literature.
Those diagonal lines never touched the name of MIYAZAWA Kenji,
which proves Kanai's delicate gentleness and friendship.



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おお、意気盛んな青年たちよ!旧制高校の寮の雰囲気が伝わってきます。
この気分は日本だけのものではありません。
たとえばドイツのトーマス・マンの『トニオ・クレーゲル』(1903年)。
主人公のトニオは、ギムナジウムの同級生に熱い友情を寄せるのです。
まるで『トーマの心臓』の世界!
恋にも似た強い友情は若い男性のみならず、女性間にもよく見られます。

Oh, ambitious boys !
This atmosphere was common to the schools at that time
not only in Japan but also in Europe.
For example, the hero of Tonio Kröger loves his friend in the gymnasium
like Kenji. This kind of friendship is often seen between girls also.



「トーマの心臓」の画像検索結果「大正 女性 友情」の画像検索結果

『トーマの心臓』(pinterest)(google search)
女子体育はじまりの時代?!’エス’なんて言葉も…


嘉内は己が人生の主役として生き、実人生でも人々の中心になる人でした。
賢治は嘉内にあこがれ、己の強烈な自我をさらに大きく開花させました。
二人はそれぞれ主役として、それぞれの道を歩み出すことになるのです。

Kanai lived as a hero of his own life and as a leader of people.
Kenji longed for Kanai and developed his own identity.
Both of them were to start their own lives as the hero respectively.



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堺の植物園で(2015年)

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BGMは「画家マチス」♪ Mathis der Maler, P. Hindemith

中之島薔薇園および靭公園の蔵出し写真(2015, 2018年)



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「henri matisse rouge wiki」の画像検索結果
(google search)


アンリ・マティスという名の薔薇。「赤い部屋」の絵のイメージ?


Voici une rose nomée Henri Matisse.

「マティス マグノリア」の画像検索結果
(google search)

マティスのマグノリアの絵も大好きだけど…

J' aime Magnolia par Matisse aussi…


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カミーユ・ピサロという薔薇は一段とあでやか!ジョナゴールド(林檎)みたい?

Et une rose Camille Pissarro comme une pomme !


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ピサロ「林檎の収穫」🍎 Cueillette de Pommes


「Camille Pissarro cueillette de pommes」の画像検索結果
(google search)


間奏曲はマッカートニー・ローズ

McCartney Rose  Intermezzo



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雨上がりのプリンセス・ミチコ。
いまはエムプレス・エメリータ・ミチコ?
真珠をちりばめた薔薇色のストールのよう。。。

Princess Michiko(Empress Emerita Michiko)



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美智子妃の短歌はいつも胸に沁みる。

今しばし生きなむと思ふ寂光に園の薔薇(さうび)のみな美しく



こんな胸をつく一首も。バーミヤンの大仏が破壊されたのは2001年。
1971年のご訪問から30年後のことだった。


知らずしてわれも撃ちしや春()くるバーミヤンの野にみ佛(いま)さず



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秋の光に包まれたばらぞの橋とプリンセス・ミチコ

寂光をしるみこころに永久(とは)に立つバーミヤンの美(は)しきみほとけ

蜜蝋と薔薇の香油でこさへたるクリィムの香をたてまつらばや 

🌹 snowdrop 🌹 inspired by piko-san 🌹


「薔薇 美智子さま」の画像検索結果

(google search)

(All Rights Reserved)







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お気に入りのマカロンはピエール・エルメ
アンヴィ(上)はスミレ風味、ホワイトチョコレートガナッシュ、カシス。
アンフィニマン ローズ(右)はローズ風味クリーム。そして
アンフィニマン ジャスミン(左)はジャスミン風味ホワイトチョコガナッシュ。

アンヴィとは「欲すること」。菓子職人は欲するままに工夫をこらしています。
アンフィニマンとは「無限に」の意味。限りなく広がってゆく味と香り…

PIERRE HERMÉ PARIS
Envie
Infiniment Rose, Infiniment Jasmin

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「コンビニ人間」の画像検索結果

(amazon)

ピエールはマカロン人間。新しきマカロンを欲(ほ)る無限の手わざ


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つぼみは紅く、花ひらくと白くなる羽衣耶悉茗(ハゴロモジャスミン)。
アジアでは仏教寺院の儀式によく用いられるそうです。
その芳香は仏国土の香り、純白の花は仏陀の歯を表すのだとか。

Le jasmin rose est utilisé comme plante ornementale
dans les temples bouddhistes d' Asie,
comme les dents de Bouddha, comme le parfum du paradis.


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 小川洋子の『余白の愛』には、「ジャスミンの間」と呼ばれる部屋が出てきます。
「侯爵が昔、その部屋でジャスミンを育てていたのです。ジャスミンを見たことがありますか。(…)おしろい花に感じが似ています。白いラッパ型の花が数個ずつ寄り添って咲くんです。(…)でもジャスミンの特色は、花でも葉でもなく、やっぱり香りですね。しかも香りそのものではなく、香り方なんです。(…)毎晩、決まった時間にしか香りを発しないのです。だいたい、八時くらいから匂い始めて一時間足らずですっと消えてしまう。(…)そんなジャスミンを、あそこの部屋が一杯になるくらい育てていたんですよ」


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フランス語なら、サロン・ジャスマンです。
Salon jasmin dans Amours en Marge par OGAWA Yoko, il est charmant.

" Ça ressemble un peu aux belles-de-nuit. Avec des grappes de fleurs blanches en forme de trompe.(…)La particularité du jasmin n' est pas dans ses fleurs ni dans ses feuilles, mais dans son parfum. Et en plus, pas dans la senteur elle-même mais dans la manière dont il sent.(…)On ne peut le sentir que chaque soir à une heure déterminée. En général à partir de huit heures et pendant à peine une heure. On peut toujours avoir envie de le sentir dans la journée, c' est impossible." (Traduit par Rose-Marie Makino-Fayolle)


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「そこは五角形に変形した部屋だった。最初は暗さに目が慣れなかったが、すぐに月の光だけで、中の様子をうかがうことができるようになった。出窓、大理石のテーブル、椅子八脚、肘付きソファー二脚、キャンドルスタンド、バーカウンター、ワインの栓抜き、銀杯…いろいろな物が順番に浮かび上がってきた。(…)」

" C' était une pièce pentagonale. Au début, mes yeux n' étaient pas habitués à la pénombre, mais je parvins presque aussitôt à discerner son aspect au clair de lune. L' oriel, la table de marbre, les huit chaises, les deux canapés, les chandeliers, le bar, le tire-bouchon, les coupes en argent(…)"


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午後八時花の香りを時計とし そのたましひはまどろみ初むる

à huit heures
l' odeur de jasmin
est les pendules
une âme blessée
commence à sommeiller

アランブラあふるる花の四月(アブリル)の路地にまつろふハスミンの風


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アルハンブラの花蘇芳とジャスミン(Alhambra, 2008)
スペイン語でジャスミンはハスミン(jazmín)です。

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「proust sa mere」の画像検索結果「proust timbre」の画像検索結果 

『プルースト・母との書簡』(amazon)プルちゃん切手 (wikitimbres,fr) * どちらもほしい…


紫丁香花(ムラサキハシドイ)の便りが遅れてしまいました。切手が不足していたのでしょうか。

……Ma nouvelle des lilas a retardé à cause du manque de timbres, peut-être……


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(4月末撮影* au mois d' avril)


この春もリラ咲きにけり 柞葉(ははそは)のみ母の匂ひ な忘れそ と

les lilas ont fleuri
ce printemps aussi
disant
n' oublie pas
le parfum de ta mère!


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五月最後の日曜日はフランスの母の日です。プルーストはお母さんっ子でした。
プルーストの母親はユダヤ系、プルーストは「東方の貴公子」と呼ばれました。
彼はリラの花房を東方のモスクのミナレット(尖塔)にたとえています。

Non, aujourd'hui c'est la fête des mères en France.
Proust, un fils d'une mère juive, il fut appelé "Prince Orientale" .
Il compara des lilas aux minarets.



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『プルーストの花園』(集英社)より(フランス語はsnowdropの手書きです)


日本の母の日と、フランスの母の日の間に、幼友達と会いました。
かつて母に贈ったバラの首飾りをして、緑のバッグで…
幼友達はこの朝、コサージュを手作りしてくれました。
水色の六弁花は、忘れな草をかたどったアンティークビーズです。


une corsage à la main par une de mes amies

Vous trouvez un myosotis(Vergissmeinnicht)?



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忘れずよ また忘れずよ ママとなり たまの露おく君の花咲(ゑ)み


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おまけ*Bonus*Vergiss mein nicht…


関連画像「小熊のミーシャ eroica」の画像検索結果

Миша vs. Major Klaus Heinz von dem Eberbach

From Eroica with Love by AOIKE Yasuko
(google search)








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白川(カラー写真)
モデルさんでしょうか。道行く人がみなカメラマンに…

usaさん、ありがとう。
皆さん、ありがとう。
花よ、ありがとう。

Merci beaucoup!

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白川のもっこ橋


さくら散らす雨のひびきと目覚むれば 宴のあとの皐月若葉雨

la pluie d' aube
qui font disperser
des petales de cerisier?
c' est la pluie au mois de mai
après la fête de fleurs de cerisier


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雨しぶきのような桜(上賀茂神社)

枝垂桜の陰でひろがる若葉(同上)

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(All Rights Reserved)













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白川

花あふぐ代はりに花のかげを見よ

かげに佇む花守を見よ

au lieu de regarder
des fleurs de cerisier,

regarde l ombre des fleurs!

une guardienne des fleurs!


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🌸 usaさんの桜祭りに参加中です 🌸

Special Thanks to usa-san!

 カラーのおまけ * Bonus ☆彡

この場をお借りして、もう一人、麗人のご紹介を…

フランスに住む俳人の小津夜景さんのトーク・イベント(東京)のお知らせです。




🌸 月餅を むはり ほほばり 花みれば それは あなたと めでし 夜桜 🌸

La manifestation d' OZU Yakei avec des gâteaux de lune(月餅)!

(All Rights Reserved)








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加納洋品店(大正8年創業)


三月書房を訪ねて、風薫る五月の寺町通りへ。
飾り窓のロッキングチェアには、緑の布が掛かっています。

Voici Rue Teramachi au mois de mai, au mois du vert !


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金工品店の「月」という名の銀の一輪挿し。
うすべにの花は大和の撫子、それとも唐撫子(石竹)?
どちらもカーネーション(阿蘭陀石竹)の仲間です。

Un oeillet rose disposé dans un argenterie "La Lune" .


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もうすぐ母の日。。。

Au Japon, on offre des oeillets à sa mère
à la fête des mères, le 12 mai cette année.


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あなたのお母さまはイケる口?藤棚の下、冷酒をどうぞ♪

Votre mère aime à boire ?
Voici le sake froid et un photo des glycines ♪



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ボタン屋、エクランさんの店先にも紫陽花や金鎖の鉢が♪
今日もお客さんで賑わっています。また今度寄りましょう。

Des hortensia en pot à Écrin aussi.


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さすが風格ある店構え。虫籠窓(むしこまど)にブルーの海鼠壁(なまこかべ)。

Un magasin d' antiquités au machiya, un maison en bois typique de Kyoto.



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この町家にも虫籠窓。ポップな籠が吊るされています。

Des corbeilles et paniers devant un autre machiya.



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この飾り窓はフェアリー・テイル調。「フェアリーって、あたしのこと?連れてって!」

Une vitrine comme un conte de fées. Tu es une fée des hortensia?


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ごめんね。。。またいつかね。

Au revoir。。。

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小津夜景さんの本の装丁を思わせる飾り窓も、衣替えしました。
小津さんはかつてこの通りを歩き、今はフランスに住む俳人です。

Une vitrine comme des livres d' OZU Yakei ♪
Elle est une haiku-poète qui habite en France.


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(2018年撮影)

小津さんは5月25日に東京でトーク・イベントを開きます。
行けたらなあ。。。
「ほんものの中華菓子」って、なにかしらん。(^ڡ^)
( 国立の小鳥書房にて*「漢詩のおいしい暮らし方」→)

Elle donnera une séance de thé le 25 mai en Tokyo.


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この日、三月書房でもとめた本はこちら。
「未来」は ITS の先輩のおススメ、「塔」は店のご主人のおまけです。
青い栞は、むかし琵琶湖の見える所に住んでいた時期に見つけました。
大谷雅彦さんは高校時代に前登志夫に学んだ、近江の歌人です。


J' ai acheté ces livres à la librairie Sangatsu Shobo (pas de Fnac!).


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(2016年撮影)

三月書房で初めてもとめたのは『前 登志夫 全歌集』でした。
三十余年前、高校で講演を聞いたとき短歌を始めていれば… !


三年(みとせ)かけ前登志夫を読む 三十年(みそとせ)をうた詠まざるをくやしみながら

(I have been reading complete works of Mae Toshio for three years,
regretting these thirty years I have not made tanka.)(2017年 詠歌)



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(2016年撮影)

おまけ*Bonus

ブロ友さんから聞いていた小川洋子の小説、去年の暮れに文庫化されていたのですね!

Mon parachutiste, je suis entrée de nouveau un autre association des tanka-poètes.


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↑『琥珀のまたたき』が対談に出てきます。

2018-9年の本と1990年の本(林あまり「あなたの短歌」Moe)とを重ねてみました。

(All Rights Reserved)







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ピンクに縁どられた毛書体の「令和」、すやり霞のような水色の地に白文字の本文。未来を寿ぐような、明るく華やかなイラストです。

 
友人の aster rose から届いた一通の年賀状ならぬ電子メール。
そうでした、今朝から 令和元年でした。
昨夜は「ゆく年くる年」ならぬ「ゆく時代くる時代」が放映され
人々はカウントダウンを楽しんだとか。まるで大晦日から新年!

An e-mail has arrived from aster rose like a New Year's card.
You know, today is the first day of the Reiwa period.
Some people joined the new era's eve count-down last night.


「カウントダウン?知らんがな、寝てたさかいな」 🐈 四天王寺の眠り猫

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Snowdrop was sleeping like this sleeping cat around 0:00 today.


元号が変わって、何か変わるのでしょうか。
昭和、平成、それぞれの時代の変わり目にそれぞれの著名人が旅立ちました。
たとえば昭和から平成の変わり目には手塚治虫が、平成末には梅原猛が…
そんなところに時代の変わり目をみる人もいます。
その一方で、人が元号の切り替わりに合わせて物語を作ってしまうに過ぎない、
と考える人もいます。(中島裕介「星座を編むように」)

The change of the name of an era is to change something?
Some understand it as the change of the era itself.
Others say they only make a story accordingly to the change of era's name.


わらびの水辺に誰かが置いた松ぼっくり。何かの物語?(上賀茂神社)

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freshly budded bracken and pine cone(Kamigamo Shrine)


ハドリアヌス帝やフランソワ1世のような帝王=統治者の時代ならいざ知らず
象徴天皇の時代の日本では…
元号に合わせて物語を作っている、というのが当たっているでしょう。
なぜなら、人間は物語を作らずにはいられない生き物だからです。
大空に無秩序に散らばる星々を選び、つないで星座を編むように。
私自身、行き当たりばったりの支離滅裂な人生に意味を見つけたくて
終りのない歌物語を、ここで、ほそぼそと綴っているのかもしれません…。


「額田王 井上康」の画像検索結果
(google search)

The Japanese emperor is a symbol.
It is not the ruler such as Hadrien and Francis I.
I think the name of an era does not make a story.
It is the people that make a story, because
we humans cannot but make a story while living our lives
just like selecting and connecting stars to make constellations.
I myself tries to make an never-ending tanka story
so as to find a meaning of my inconherent life.


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さわらび(右)青柳(左)(芽吹きがゴマで表されています)
freshly budded bracken(right) sprouting willow(left)


「中宮寺 弥勒」の画像検索結果

ものがたり、ミッツカール君??? わらびみたいなロン毛??(中宮寺弥勒菩薩像)
freshly-budded-bracken-like hairs (google search)


カレンダーを付け替える大晦日の作業が、じつは、あまり好きではありませんでした。
(この一年も思わぬ悲しい出来事があった、新しい年こそ平穏な年でありますように…)
どんな年にも、どんな時代にも、良きことと悪しきことが起きるでしょう。
けれども、良き年(時代)を祈るという行為そのものは尊い。空しくはない。
そう気づいたから、ささやかな言霊にのせて、きたる日々の平和を祈ります。

Every New Year's Eve, while changing calendars,
I always have felt anxious about the new year
while remembering sad accidents in the previous year.
Every year and evey era is to have both good things and bad things.
But it IS precious to pray for the good year and good era.
Today I pray for the peace of our future with my small word-spirit.


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柳の芽吹き(2017年)*sprouting willow


空つぽの函(はこ)としてある新しき日日年年にいやしけ吉事(よごと)

I hope
many good things
will happen
to new days and years
as empty boxes


「剣 ルーン文字 北欧 歴史 槍」の画像検索結果

ルーン文字の石碑 Runestone(wiki)


「口に発して耳に届く言葉は魂だ(…)魂は人を離れてどこまでも行く。動くことで力となる。
すなわち言霊。それに対して、木に書かれ、鉄の剣に刻まれた文字はその場を動かない。
何百年も何千年も後まで残る。これもまた言葉の力」(池澤夏樹『ワカタケル』日経朝刊5月1日)


ネット上の言葉はいつ消えるか分かりませんが… ^^;

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さて、どこへ出かけよう… 🚙 2019年のカレンダー(クレマチス立葵)

I stay home while this vacance except my debut in a tanka-poetry party.
(my calendar 2019 🚙 painting by Peter Motz)


おまけ * Bonus * la fête du muguet en Rouen, 2004

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ルーアンの飾り窓(2004年)


5月1日はスズランの日。スズランのチョコレート、買いに行きたいな。。。

(All Rights Reserved)




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正倉院に伝わる美(は)しき撥鏤(ばちる)の尺(ものさし)。
守田蔵さんによって復元された天平の尺などが展示されます。
会期は来週 4月23日(火)から 5月4日(土)まで
銀座へお越しのときは、ぜひお立ち寄りください。
詳しくは下記の地図等をクリックでご覧ください。

The bachiru(撥鏤 → )works made by MORITA Kura
will be exhibited in Ginza, Tokyo from April 23 to May 4.
(Fujiya Gallery)


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Invitation quoting the impression of Princess Akiko () who visited Mr. Morita's studio


撥鏤(ばちる)作家の守田蔵さんは
浄瑠璃寺のそばに工房「獅子窟」を構えておられます。
「獅子窟」(ししくつ)は吉井勇の短歌に由来するそうです。

酒にがく女みにくしこのごろは心しきりに獅子窟にゆく  吉井勇

(獅子窟寺は、 大阪府交野市にある高野山真言宗の寺院です)

MORITA Kura's studio "Lion Cave" is near Joruri-ji Temple.
The name "Lion Cave" derives from a tanka by Yoshii Isamu:
the sake tastes bitter and the women look ugly, recently,
my heart frequently wanders toward Lion Cave Temple
(tr. by snowdrop)


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浄瑠璃寺*Joruri-ji Temple(4月上旬)


「獅子窟」工房の向かいの浄瑠璃寺には、浄土式庭園があります。
「浄瑠璃」の「瑠璃」は東方の瑠璃光薬師浄土をあらわします。
祝い歌をお届けした日、浄瑠璃寺はさながら花の浄土でした。
山茱萸(サンシュユ)、馬酔木、桜、紫木蓮、三葉躑躅(ミツバツツジ)…

MORITA Kura's Lion Cave is located near Joruri-ji Temple,
which has a famous Pure Land garden.
On the day when I delivered congratulatory forms of tanka,
the garden looked like Pure Land itself.


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東の薬師仏をまつる三重塔


撥鏤尺に撥()ね彫りされし鳳凰を詠める


瑠璃光の天の果てより舞ひ降りし鳳はいま

獅子窟に棲む

(
るりこうの てんの はてより まいおりし おおとりは いま ししくつに すむ)



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瑠璃いろの空と山桜

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鳥の翼のような紫木蓮、染井吉野

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躑躅花むらさきに咲く弁天社 守るは獅子の家族(うから)なるらむ

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大阪ではフェルメールの作品が6点 展示されています → 🌷
東京展の記事(desire photo&art フェルメールの芸術)→ 🌷


チューリップの国から届きし六輪の花はやまとの春のさきぶれ

たとふればそれは原種のチューリップ内へと閉づる真珠の女

just like
ancestors of the tulip
that close
into the interior,
Vermeer's women with pearl accessories


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大阪市立美術館を飾るチューリップ


オランダのチューリップ・バブルが弾けたのは1636年。それからおよそ30年後、オランダ第4の町デルフトで、一人の画家の作品が開花した。ヨハネス・フェルメール(1632-1675)。静寂の画家は、幼いころの町の喧騒を覚えていただろうか。

In 1636, the tulipomania ended. About thirty years later, the talent of one painter bloomed. His name was Johannes Vermeer (1632-1675). Did this painter of the silence remember the fever in his country in his childhood ?


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フェルメールの独白(snowdropによるフィクションです)

 チューリップ・フィーバー?花の色なら覚えているよ。珍しい花が生まれるたび、みんな目を輝かせていた。だんだらの斑入りの花弁、レースのような皺くちゃの花弁…なぜ、誰も気づかなかったんだろう。どれも病葉(わくらば)そっくりの花だったのに。
 あの妖しい美しさに人々は心奪われているのだと、子供心に思っていた。知らなかったんだ。ちっぽけな球根にうつつを抜かすのは、それを売り払えば家が一軒建つくらい儲かるからだってこと。
 
Monologue of Vermeer
 The tulipomania? I have only a dim memory of that. Adults were all excited by the tulip bulbs of strange varieties. Some petals were mottled, some jagged … why did nobody noice that they looked like diseased leaves ?! I did not know they were charmed not by the beauty but by the high price.


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(左)  158.5×141.5cm, 1654-55年頃  / (右)  71.1×60.5cm, 1670-71年頃
絵画図版はすべて展覧会パンフレットを撮影

 
 僕らの国はカトリックの大国スペインから独立したところだった。プロテスタントは商業に寛容な宗派だ。裕福な商人たちが絵画の新たな顧客となった。
 野心に燃えた僕は、大きな宗教画に挑戦した(左)。マルタ・マリア姉妹と語らうイエス・キリスト。僕にしては粗い筆致だって?薄暗い教会堂で、遠くから観賞するには、これくらいのタッチが丁度いいんだ。画面左のトルコ絨毯の柄はついつい細かく描きたくなってしまったけれど。(僕にはテクスタイル・フェチの気があるんだ)
 注目してほしいのは、光の使い方。スポットライトめいた光の中でまめまめしく給仕する姉マルタと、陰の中に座り込んでキリストの話を聞いている妹マリア。どちらが神の心にかなったと思う?じつは何もせず話を聞いていた妹の方だった。けれども、僕はあえて働き者のマルタに光を当てた。だって、デルフトの勤勉なご婦人方が、内心マルタに同情しているのに僕は気づいていたから。
 それからおよそ十数年後に描いた、恋文を綴る婦人、同じ画家の絵に見えるだろうか(右)。 一見当世ふうの風俗画だけれど、窓のステンドグラスから神々しいまでの光が差し込んでいる。壁に掛かった絵は、幼児モーセがファラオの娘に拾われる場面を表したもの。これは旧約聖書における「和解」を象徴するのだとか。僕の絵のなかで「和解」するのは恋人たち!神の愛、人の愛…聖俗二つの世界が重なり合う。

 Our country had become independent from Spain in 1609. The rich middle class became the new customer of paintings.
 I, an ambitious young painter challenged a large religious painting: Christ in the House of Martha and Mary. Rather rough touch for Vermeer? This touch is right for a dim church where people look up the painting from a distance. And this detailed pattern of a Turkish carpet…you know, I have been a sort of fetish for textile since my debut.
 I painted Martha in the light, a sister who was occupied by entertaining Christ and Mary in the shadow, a sister who was absorbed in listening to him. True it was Mary who had pleased Christ, but it was Martha who aroused the sympathy of the diligent women in Delft !
 About few years or decades later, I painted Woman Writing a Letter with Her Maid. It is an up-to-date genre painting, and yet the stained glass and this painting representing baby Moses imply the holy reconciliation. Human love, God's love…


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「リュートを調弦する女」1663年頃


 モチーフの少ない小品もよく描いた。一つには注文が増えたからだし、一つには、それらを描くのが性に合っていたからだ。上の「リュートを調弦する女」も、自分では気に入っている。窓から差し込む光が女の白い額を照らし、高い鼻筋をくっきりと際立たせる…。まるでギリシアの芝居の仮面のようじゃないか?じつは、市場で見かけたギリシア系の少女の面影を重ねたんだ。
 壁に掛かった地図は、商業国家オランダの栄光を表している。海へ漕ぎ出せば、西欧文明のふるさと、ギリシアへ行ける!かつて我が国へチューリップをもたらした異教国トルコへも!この女はどこから来て、窓の彼方のどこを望み、どこへ行こうとしているのだろう。
 
 I often painted small paintings because many townspeople ordered them and I myself loved painting them. The face of this woman with a lute is in the light, and it looks like a Greek mask because of the high brow and Grecian nose, doesn't it ? I had seen a Greek girl in the town several days before.
 A map on the wall symbolizes the glory of our mercantile nation! Going to sea, we can reach both Greece and Turkey, an Islamic state that brought us the tulip! From where did this woman come, what is she looking out of the window, and where will she go?


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(左)51.4×45.7cm, 1663年頃 / (右) 44×38.5cm, 1669-70年頃
 

 僕はストーリーのある絵が好きだ。右の絵の女もリュートを持っているけれど、ここでストーリーの鍵になるのは、もう片方の手のなかの恋文だ。洗濯場の奥で交わされるひそひそ話…。どうだい、扉の隙間から二人をのぞき見している気がしない?手前に黒い箒を描いたのは、家事放棄への戒めや遠近表現というより、臨場感を感じてもらいたかったのさ。

 I like the painting with a story. The right woman with a lute holds a letter and is whispering with her servant in a laundry. Do you feel as if you were peeping at them? A black broom is not only a symbol of the abandonment of housework but a small tool for giving a you-are-there feeling. 


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「手紙を書く女」45×39.9cm, 1665年頃 


 その一方で、ストーリー性よりも、色と形の美しさを追求するのも好きだ。この絵では、壁の額絵(画中画)にテキストとしての意味はない。ただし、彼女の髪に結んだひらひらのリボンを引き立てるには、この暗い四角い画面がどうしても必要だった。彼女の黄色いマントと白い毛皮の縁取り、そしてテーブルの青い掛け布を美しく浮かび上がらせるためにも…
 この絵で一番描きたかったのは、星のような光だ。彼女の両目の輝き、鼻と唇のハイライト、真珠の耳飾りのきらめき、テーブルの真珠の首飾りのつぶつぶの光…。それに手箱や椅子の鋲の光、ガラスの杯の光!それぞれ星座のように規則正しく並んだ光の粒が、画面全体に統一感を与えているだろう?!
 この子が誰に手紙を書いているのか、それはどうでもいいことだ。どうでもよくなってしまったんだ、僕には!

 On the other hand, I like to pursue the colours and forms in the painting. In A Lady Writing, a picture on the wall has no meaning as a text. But this black space was necessary to emphasize her ribbons, yellow coat and blue desk cover.
 What I wanted to paint were these star-like lights. Her shining eyes, the highlights on her nose and lips, her pearl accessories, the rivets on a casket and on a chair, all the lights look like constellations and unify the whole painting !
 For me, it no longer matters whom this girl is writing to !


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フェルメール・カラー?(2017年4月)


 僕は画家だ。流行や注文に応じて、それなりに色んな絵を描いてきた。それでも、本当は、小さなカンバスに、ぎりぎりまで少ないモチーフを並べて、息をつめて筆を進めるのが大好きだ。時間を忘れ、家の中の喧騒を忘れ、窓の外の欲と金にまみれた世界を忘れ…絵のなかの小宇宙にこもっていると、カメラ・オブスクラの精になったような気がする。そこは、ヴァージナルやリュートがかそけく響くだけの静かな世界。―
 かつてチューリップの夢を見たことのある土地に、僕は生まれた。色とりどりのチューリップにひっそりと混ざっていた原種のチューリップが、僕は忘れられない。オランダ絵画黄金期に咲き競ったチューリップのように賑々しい世俗画のなかで、僕の絵は原種のチューリップのように目立たないかもしれない。けれども、そのしずけさを愛する人々が、この世のどこかに、未来のどこかに、常にいるはずだ…

 I am a painter. I have painted various paintings according to the orders and trends. To tell the truth, I like painting minimum motifs on a small canvas while holding my breath. I forget the time, the noises in my house, the greedy world out of the window, and I feel as if I were a silent spirit of the camera obscura. Only the murmur of the lute, virginal, …
 I was born on the land that had dreamt of the tulip. I remember an illustraion of an ancestor of the tulip among colorful garden species in a pictorial book. Among the colorful and cheerful genre paintings of Dutch Golden Age such as Jan Steen, Pieter de Hooch, etc. , my paintings might be too quiet and simple. But those who appreciates my silent paintings should exist and will exist, forever and ever.


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原種のチューリップ*ancestor of the tulip(2017年4月)

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