
父母のかつて乗りたる江ノ電にのりこむ娘をみおくれ、蛙(かはづ)
ぬばたまのランドセル負ふ童女(わらんべ)のあをのマフラー車窓を映し
撮り鉄はわたくし一人終点のホームの端で腰を落として
運転席直後の海の側の窓へ走れば見返り美人のわらふ
鵠沼はアトリエ多き街といふいつか画帳をたづさへ行かな
Kugenuma is said
to be a town with many ateliers
some day
I’ll visit this town again
with my sketchbook
肺を病みし画家劉生が太りたる温暖の地ぞここ鵠沼は
岸田劉生:鵠沼風景 (1917-23頃)
国立美術館HPより
ちょっと脱線 ― 木下利玄の日記、大正十(1921)年11月11日条より
「柳と岸田夫妻にあふ。畫會の絵売約がつかなかつたら
『鵠沼風景』を自分にくれるといふ」
(下線はsnowdropによる。24日条に、最終日に売れたとある)
この日記の絵が国立美術館の所蔵品だとしたら、制作年代を絞れますね!
もっとも、劉生の鵠沼時代は1917年から23年の6年間に及びますから
《早春之一日》、《初夏の小路》といった風景画のなかに
《鵠沼風景》と呼ばれる別の作品があったかもしれませんが。

劉生が鵠沼に居を構えたのは、肺結核の療養のためでした。
安静のため仕方なく取り組んだ静物画にしだいに熱中し、
「ミスチック:神秘な感じ」と自称する新境地を切り開きます。
同じ病を得た友、木下利玄の歌風にも影響したかもしれません。
『岸田劉生』(同朋舎)より
おや、脱線中に窓掃除が始まりました!

うちつけに運転席の窓磨き始まりたればこれも撮り鉄

君がため運転席の機器を撮る何がなんだか分からぬままに

数分の一秒なりと光射すこころありけり窓拭きしのち

撮り鉄はホームも駅も撮るべしと教へてくれし先達のあり
🐈 猫の日(2/22)のおまけ 🐟
残念ながら、鎌倉の猫とはご縁が無かったのですが…
ランチ抜きで報国寺を訪ねた後入ったお店が気に入り、
2日続けて通いました。猫の好きそうなお魚メニュー♪

湘南のしらすを食めばうみやうみやと猫の声のす身ぬちの父の
eating whitebait,
a specialty of Shonan,
I murmur yummy
with cat-like voice
of pappy in my body

お茶碗蒸しは自作の方が滑らか?↓(旅の翌月こさえた空也蒸し)
あら、料理の匂いに釣られて猫が一匹…
劉生の日本画によるキモカワ猫をどうぞ

岸田劉生「猫図」(1926年)(google search)
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