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こどものことば(children's words)


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(2018年撮影)


五年前、秋の公園で読んだ春日いづみの第一歌集『問答雲』。
けやき落葉を栞として。


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今年読み返して目に留まった一首はこちら ↓


あ、う、お、赤児のやはき口元に母音三つが陽を浴びてをり  春日いづみ


「い」と「え」は口角に力を入れたり、角度を調節したりする必要があるから
発音できるようになるのに比較的時間がかかるのだろう。



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今年もとめた春日いづみの新しい歌集(上段中央)
新訳された聖書(上段左)の編纂時の歌群を収める


間奏曲 ♪ ショパンの夜想曲「なんちゃってドングリころころ」
(10月の青い団栗)

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冒頭を弾くたび、団栗が地面に落ちて転がるさまがイメージされる。。。
音符をクリックするとポリーニの演奏が流れる → 

ちょっと脱線 * snowdropの歌物語「秋はひちりき」から
(鎌倉時代の雅楽師への母の語りかけ)

 お前は子供のころから音曲の筋が良かった。
唱歌の旋律も、舞の振り付けもすぐに覚えたし、笛の指使いも巧みだった。
鳥の歌、虫の音、鹿の声、団栗の落ちる音さえ音階に聞こえる、とお前は言ったね。
忘れもしない、お前の父親と同じ科白だったもの。
 父ゆずりの鋭すぎる音感…ときおりお前は耳をふさいで蹲(うづくま)っていた。
鳥どもが、虫どもが、宮(ド)、商(レ)、角(ファ)、徴(ソ)、羽(ラ)、
あるいは嬰商(ミ♭)でわめいているのだと言って。


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一昨年読んだエッセイ(右)と今年読んだ歌集(左)


雪解けのごとくに「でちゅ」が「でじゅ」となる 子にさらさらのサ行音近し  本多 稜

さらっと詠まれたようでいて「雪解け」の詩情、萬葉集の谺。手練れである。
子らは学校で「永訣の朝」を教わったら、この一首を思い出すかもしれない。
あるいは子供じしんが詩人なのかもしれない。

起こす声聞こえてたけどクワガタの卵になって眠ってたから


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頭足人かと思って広げたら尾っぽが…ワニでした(本多氏の次男画)


ところで、snowdropの子供の頃の記憶は2才からである。
「頭足人」を描く自分のことを思い出す小学生の自分も記憶している。
言葉を覚えていく過程での「ちいさな理屈」(俵前掲書pp.14-16)も
いくつか心に残っていて、こうした本を読むと懐かしくなる。
私は親の目線ではなく、子供の目線で読んでいるのだろう。
その一方で、 
言葉をもつ以前の己に初めて会えないかと期待していたのだけれど、
どちらの本も、言葉を覚え出してからの挿話や歌が圧倒的に多い。
言葉以前の時期は、言葉ではとらえにくいのだろうか。


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子供が文字を覚える過程も興味深い。snowdropの場合は
積み木に印字された仮名文字を尋ねながら覚えてしまったというが、記憶にはない。
海へ向かう車中から見えた看板文字を「かげろう」「はまゆう」などと読み上げると
両親が吃驚したことだけ、うっすら覚えている。
むしろアルファベット、とくに筆記体への憧れの方が鮮明に蘇る。


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親(2019年6月9日頃)
子(2016年11月上旬)
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本多家三兄妹の学び方は楽しい。

みつばちがお尻に針を刺してQジグザグ飛んでとうぜんZ

ちなみに『アルプスの山の娘(ハイヂ)』(野上弥生子訳)では…

「(ハイヂは)突然うれしさうに、ぢや、これは山羊だわ。とか、
これは山の猛鳥だわ。とか云つて叫びました」 🐐 🦅


マグリットの図録の裏表紙にお干菓子をのせて(2018年)
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「すずめが一わとんできました」(X-1才児だったsnowdropの作文)
「すずめは子どものごはんをさがします」(X才のsnowdropの作文)


鍵っ子暮らしをエンジョイしていた頃、保母として働く母の幼児教育指導書が興味を引いた。
X才児未満だとイラストから物語を作れない、という説明を我が身で体感してみたり。じつに、
翌年X才になると、登場人物の動作をなぞるだけでなく、ストーリーが作れるようになっていた。



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(2016年)


童心へ旅をしませう旅茶碗 金平糖をお重に詰めて

let's travel
to your mind of a child
with
a take-along tea bowl and
a little lacquer box of confeito

紅薔薇の母のこさへし庭のうち童はひとり虫とたはむる



↑ 道綱母も虫めづる女だった?


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失われし庭(notre jardin perdu)*天使幼稚園に通っていた4才のころ


数字には昔から弱いんす💦

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