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猫と漫画と二人のタンカ(Shall we be Tanka-jin?)

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指折りて「りぼん」まちたる 幼子は「短歌人」まつ をんなとなりぬ

a little girl
who waited for Ribbon (manga magazine)
to be released
became a woman who waits for
Tanka-jin (tanka journal) to be delivered


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子供のころ雑誌「りぼん」の発売日を指折り数えて待ちました。
毎月3日(たまに2日)の発売日、学校から帰ると、
自転車で坂の上の本屋さんまで駆けつけたのを思い出します。
太刀掛秀子さんや陸奥A子さんのカラー表紙が燦然と輝いて見えました。
あれから40余年…
人生のたそがれ時、50の坂を越えて
毎月胸弾ませて待っているものがあります。
それが月刊誌「短歌人」。
表紙は半年ごとに変わります。
デザインはいずれも倉本修さん。
おなじ2月号でも年によって全然違いますね!





「短歌人」は本屋でもとめるのではなく、ポストに投函されます。
毎月25日前後に発送されるので、月末はそわそわ…
昔と違って、SNSで「短歌人さん、今日いらっしゃいました」と
報告してくださる歌人たちもいらして、よけいにそわそわそわ…
東京から遠いわが町には、たいてい1、2日遅めに到着します。

I wait for Tanka-jin patiently around the end of every month.


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フリマのはしり?(右ページ)↑



snowdropは短歌人の会員として、毎月詠草を10首前後送っています。
そのうちの5首を尊敬する歌人に選歌していただくのですが、
いつも嬉しい花いちもんめ、どの子が残るか、わくわくします。
ココログ「ももさへづり」で、月に5首ご覧いただけます)
さらに今月「作品月評」「Selection」(ともに2020年12月号から選歌)の2か所で
ぐうぜん同じ1首を、別々の歌人から採っていただきました。


いつの世も社会的距離まもりつつ日向ぼつこしてきた猫は 


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平野久美子さん、御評をありがとうございます。
「猫の集会」のことを初めて聞いたのは、
漫画『綿の国星』だったかもしれません。
(「りぼん」誌ではありませんが…)


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猫は昼夜を問わず、たがいの距離を絶えず保っているとか。
気ままにパトロールしているようでいて、互いに時間帯や場所をずらし
くつろぐ時も、視界の範囲や匂いから、互いの縄張りを尊重し…
昨今の人間以上に大変かも?と思って詠んだ一首でした。
じつは、郵便歌会でもコメントを多めに頂けた一首でもあったのです。
猫という素材の普遍性のおかげもあったのでしょう。


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兄弟姉妹にソーシャル・ディスタンスはありません…(2016年)


2021年2月号でも、猫や犬の歌が見つかります。そのなかで、
植松 豊さんの猫の連作中の一首だけを引用させていただきます。

生還を果たせし猫を膝に乗せ書きとどめたる歌を破りぬ  植松 豊

じつはこの猫さんを、映像で見たことがあります。
心和む声で鳴いていたあの猫さんも、大変だったのですね(他の数首から分かります)。
「生還を果たせし」という少し大げさな、少しおどけた表現に
飼い猫への深い思いがにじんでいます。
ふたたび膝に乗せた猫のぬくもり…よかったですね!
この一首の最大の魅力は、「書きとどめたる歌を破りぬ」という箇所にあります。
過去に作者の心に浮かび、歌として書きとどめられ、そして破り捨てられた思いとは、
いったい何だったのでしょう。
あたたかく、しみじみと心にしみる、しかも苦みの効いた、秀歌だと思います。


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(2019年2月撮影)


歌会やSNSを通じて親しみをおぼえる歌人さんが増えてゆくと、
「短歌人」をめくるのがますます楽しみになります。
自分の歌より、まず憧れの歌人さんの歌をきょろきょろ探すことも。
「りぼん」の連載に目うつりした頃のように?
🎀
「短歌人」は歌人でなくても、購読会員になることができます。
あなたも短歌人してみませんか? →
おいしいお菓子を少しずつつまむように、色んな短歌を味わって…
いつか、自分でも歌いたくなる瞬間が訪れるかもしれません。
その日から、あなたも歌人です。

おまけ  🐈 Bonus

猫には表情筋はなく、耳を傾けるだけだとか。
ポーカーフェイスが猫の魅力なのかもしれません。

While the dog has mimetic muscles, the cat only tilts ears.

↓ むかし飼っていた柴犬フジの目と口元にご注目を



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大島弓子『綿の国星』より

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もひとつ、おまけ 🐈🐈 one more Bonus ♪

ビートルズを歌う猫(ますむらひろし『アタゴオル玉手箱』)

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(Help me get my feet back)on the ground. Won't you please,(please help me? )
(HELP!)

2月22日は猫の日です =^Y^=

(All Rights Reserved)











by snowdrop-momo | 2021-02-22 14:22 | Spring(春の便り) | Comments(2)
Commented by 1go1ex at 2021-02-25 21:21
二人の歌人の方から選んでいただけたなんて、素敵ですね!
いっそうモチベーションが上がりますね。
猫好きの猫べったりの表現ではなくて、距離を置いて猫を観察している感じがいいなあと私は思いました。
「短歌人」のようなつくりで、「俳句人」という本はないものでしょうか。
あれば購読してみたいです。
Commented by snowdrop-momo at 2021-02-26 07:07
* 1go1exさん
猫との距離感、31文字から感じてくださったのですね。さすがです!
じつは猫を飼ったことはないのです。
むかし友達の家の子猫にひっかかれただけで飼うのを諦めてしまいました。
俳句の結社誌や同人誌、たくさんあると思いますよ。
HPや配信を伴うところもあるようです。
好きな俳人の所属する結社から覗いてみるのもいいかもしれません。
いいご縁がありますように。