昭和の聖菓(Noël en 1972)

小川洋子『ミーナの行進』に出てくるベーカリーB(ビゴの店)のブッシュドノエル
bûche de Noël de Bourangerie B dans La Marche de Mina de Yoko Ogawa 🎄
「あの1972年が、ローザおばあさんが采配を振るった最後のクリスマスになったことを思うと、そこに立ち会えた幸運を、神様に感謝しないではいられない。もみの木に揺れる数々の飾り、ろうそくの炎、手作りのご馳走、そして慎ましくも願いのこもった贈り物。クリスマスの日、私の触れたものすべてに、ローザおばあさんの温もりが満ちていた」― 小川洋子『ミーナの行進』
" Quand je pense que cette année 1972 fut celle du dernier Noël dont grand-mère Rosa prit la direction, je ne peux m' empêcher d' être reconnaissante à Dieu d' avoir eu la chance d' y assister. Les différentes décorations qui tremblotaient dans le sapin, la flamme des bougies, les délices maison, et les modestes cadeaux pleins de délicatesse. Le jour de Noël, tout ce que j' ai touché débordait de sa chaleur."
― La Marche de Mina de Yoko Ogawa, traduit par Rose-marie Makino avec la participation de Yukari Kometani et Yutaka Makino)

業平橋東詰を右折してフランスパンのビゴのお店へ
芦屋カトリック教会から川沿いに山の方へ歩き、業平橋で右折すると、やがてビゴの店へ出ます。
フランス人ブーランジェの開いたパン屋さん。小川洋子の小説にもちらりと出てくるお店です。(物語のあらすじはこちら↓)
L’ Église Catholique d' Ashiya est dans le voisinage de Boulangerie Bigot, qui est Bakery B dans le roman.
ランチのパンを探すつもりが、飾り窓の赤い箱に目が吸い寄せられました。ビゴの店はパティスリ・ブランジェリ、お菓子とパンの両方を作っているのです。
J'ai trouvé beaucoup de boîtes rouges dans sa vitrine. C'est une Pâtisserie-Boulangerie!

生前のビゴさん ★ にお目にかかる機会はありませんでしたが、フランス語の先輩からガレット・デ・ロアの集い(クリスマス最後の日、公現祭の催し)の様子などを聞いていました。ビゴの店で大切に守られてきた、ルヴァン種のパンを、クリスマスの夕餉用に求めました。噛めば噛むほど味わい深いパンです。
Phillippe Bigot (1942-2018) ★ est venu de Normandie. Une des mes devanciers de français lui connaissait. Selon elle, il était "le roi de galette" chaque année ! Son levain est du raisin.


久々に神戸の方へ足が向いたのは、もしかしたらNHK朝ドラの再放送のせいかもしれません。「べっぴんさん」のヒロインが育ったお屋敷(昭和9年以前築)は、まさにミーナの家(昭和2年築)のイメージなのです。スパニッシュ様式の洋館は英国チューダー様式のものと同様、昭和初期に数多く建てられました。
「玄関ポーチやテラスに多用されるアーチ、南東の角に設けられた半円形のサンルーム、オレンジ色の瓦屋根など、スパニッシュ特有のスタイルは、豪勢さよりも明朗な優しさを発している」
「南側の庭は日光がたっぷりと降り注ぐよう、なだらかに傾斜しながら海に向かって開けている。(…)周囲は常緑樹に囲まれ、町のざわめきははるかに遠い」
(同上)
Ces photos d' une maison dans le style espagnol transmet l' atomosphère de la maison de Mina(complétée en 1927).



「べっぴんさん」より(昭和9年の一場面)(TV drama set in 1934)
「ローザおばあさんと米田さんは、ミーナの伴奏でクリスマスの歌をたくさん歌ってくれた。相変わらずの見事なハーモニーは、皆をうっとりさせた。長年決して離れることのなかった二つの歌声は、生まれる前からずっとそうであったかのように、寄り添い合っていた。いつもでもクリスマスが終わらなければいいのに、と私は、かなうはずもないお願いを神様にしていた」(同上)
ローザおばあさんはドイツから来日しました。1972年はドイツのミュンヘンで五輪が開催された年でもありました。
"Elle [grand-mère Rosa] et madame Yoneda, accompagnées par Mina, ont bien voulu nous interpéter beaucoup de chants de Noël. (…) Les deux voix qui ne se séparaient plus depuis de longues années étaient proches comme s' il en était ainsi bien avant leur naissance.(…) " (id.)
Grand-mère Rosa est venue d' Allemagne. L' année 1972 fut celle de Jeux de la XXe olympiade à Munich.
♪ ドイツのクリスマス歌曲「高き天より我は来たれり」
♪ Vom Himmel hoch, da komm ich her
クリスマスの翌朝、主人公の芦屋での幸せな暮らしはゆるやかに終りへ向かいます。次の二枚目の写真は芦屋警察署(玄関は昭和2年築)です。ファサードのフクロウはあの夜の出来事を覚えているでしょうか。
Le lendemain matin de Noël, le séjour heureux de l' héroïne chez Mina se mit à finir. Est-ce que ce hibou de la façade (complétée en 1927)du Police de Ashiya connaît l' évènement de la nuit ?

「べっぴんさん」の家の玄関は芦屋警察署のと似ています。フクロウ以外は…
さて、このキルシュ風味のケーキのお味は…?ひと口食べた瞬間、子供のころ白いクリームのケーキが苦手だったことを思い出しました。大人になって食べられるようになったと思い込んでいましたが…じつは昭和風のケーキは、snowdropにはどっしり重すぎるんですね!
少ない家族で食べ切れるかしら…不安になったところで、家族から「美味しい!おかわり!」という声が!なつかしい味がお口に合ってよかった!!
Cette bûche de Noël me rappelle la saveur du gâteau de mon enfance.

雪の積もった薪の右端にキノコ 🍄 ↑が… 右は芦屋カトリック教会で頂いた日曜のミサの案内
Sunday Liturgy of Catholic Church of Ashiya, snowdrop's calendar
聖菓には可愛い茸をのせませう
冬を耐へぬく命のしるし
on met
un champignon mignon
sur la bûche de Noël
c' est le symbole
de la vie contre l' hiver
ハイカラでどこかなつかし薪の菓子
おせちのなかの伊達巻と似て
VS
(pinterest/ル・クルーゼレシピサイト)
Datemaki (right), sweet rolled omelette mixed with fish paste or mashed shrimp.
They symbolize a wish for many auspicious days. On auspicious days,
Japanese people traditionally wear fine clothing as a part of enjoying themselves.
(from wikipedia, Osechi )
(All Rights Reserved)
ブッシュドノエル なにか懐かしい形ですね。
文庫本を持っているのですが、なかなか読めずにいます。
文字が小さめなので、、
幼稚園の時から小学校の4年生になるまで、尼崎市、西宮市と住まっていました。
ファミリアは人気でしたね。
刺繍がとても可愛らしくて。
小川洋子さんのラジオ番組があったのですね。
『みんなの図書室』という文庫本になっているらしいので
年明けに図書室で借りてみようと思います。
本はたとえ読めなくても、本棚に並べておくだけでも
目に映るだけで心の肥やしになるのだそうです。
ブッシュドノエルが郷愁を誘うのは、
きっと素朴なロールケーキの形をしているからだと思います。
(あるいは、伊達巻に似ているから?!)
中公文庫はちょっと活字が小さいですね。
年末にはお疲れが出やすいですから、根をつめないようにしてくださいね。
ミーナの父親の「伯父さん」、snowdropのイメージでは
若いころの草刈正雄か布施明なんですけど…snowy springさんは誰を思い浮かべますか?
「キアリス」のモデルの「ファミリア」、芦屋駅の近くにあったのですね!
今度あの辺へ出かけたら、覗いてみようと思います。
いつもお心遣いありがとうございます。
ミーナのお父さん「伯父さん」
私は少し若い頃の田村正和とか、まず最初に思い浮かんだのはまだ若いですが、向井理くんでした。
どうでしょうか?
「ファミリア」のお店に自分では行ったことがなかったと思うのですが、母に聞いてみたら「神戸の三ノ宮にお店があった」そうです。母によると、なんでも私にはあまり着せたことがなくて、弟によく着せたと言っていました。ああ、勘違いの巻でした。。
どういたしまして。。。
田村正和もいいですね。布施明とダブルキャストなんかどうでしょう。
向井君はちょっとお醤油系かしら…(私にとってはソース系なんです)
ファミリアの本店は神戸にあったのですね。
芦屋大丸の中にも支店があるみたいですよ。(大丸ですから!)
ファミリアを着た姉弟、おしゃれですね。小説から抜け出てきたかのようです。
近年神戸方面への電車の便が良くなって、前よりも足が向くようになりました。
母や祖母とは、難波高島屋~心斎橋大丸をよくハシゴしましたっけ。
興味深いです。白いケーキが苦手だったとお聞きし、
写真を見て、ひょっとしたら生クリームではなくて、
バターを泡だてたクリームなので、甘くて重いのかしらと
ふと思いました。かわいらしいケーキですね。
記事の主題からは逸れますが、さすが日本、業平橋
という名の橋があるのだと、伊勢物語や業平の歌が
好きなわたしはそんなことでうれしくなりました。
こちらこそ珍しい映画やテレビのお話をいつも聞かせて頂き興味深いです。
いろんな国の趣向をこらしたプレゼーペに、映りこみの効果も味わい深く…
そうなんです。生クリームよりバタークリームを思わせるのですが
子供の頃のものより軽かったので、「白いクリーム」としました。
さすがnaokoさんのお目のつけどころですね!
私も気になっていたので調べてみたら、
業平は芦屋川左岸の業平町に別荘を構えていたそうです。
「むかし、男、津の国莵原の郡、蘆屋の里に、しるよしして、いきてすみげり」
(『伊勢物語』第八十七段「蘆屋の里」)
お能の「雲林院」にも、芦屋の地名が出てくるとか。
布施明もいいですね♪
ダブルキャストっていうのも面白い考えですね!
いけるのではないでしょうか。
でも、私の中では田村正和と草刈正雄っていう線もありです。^^
向井君は「なりほど」です。
ファミリアの本店は神戸の三宮だと母は言っていました。
お母様やお祖母様のいらした難波の高島屋というのは初めて聞きました。心斎橋の方へいらしていたのですね。
私は小さかったので後になって名前を覚えただけです。。
母は梅田の阪急か阪神によく行っていたそうです。
心斎橋の大丸は時々だったと言っていました。
あとは神戸の大丸に割と行っていたそうです。
こうしていると昔の母のことが、よりはっきりしてきた面白いですね。
あと、宝塚にまつわる思い出も思い出しましたが、またいつかの機会にしますね。
今年は1年間本当にお世話になって本当にありがとうございました。snowdropさんのおかげで苦しい時期も支えをいただきました。
それでは、また。
今年はこれで最後かしら?
まだわかりませんが。。。
そうですね。草刈正雄もいいんですけど
洋館をバックに想像すると、昨今の「美の壷」と重なってしまって…
お年を召してからの二枚目半キャラではなく
もっとお若いころを想像すればいいのですが…^^;
梅田の阪急と阪神はわりと近くで、ハシゴしやすいです。
心斎橋大丸はヴォーリズ設計の美しい建築ですが
いま工事中らしく、どれくらい昔の面影が残されるか心配です。
以前お写真で拝見したお母様は、デパートが似合いそうなお方ですね。
今年一年、よく頑張られましたね。
年末年始にお疲れが出ないよう、のんびりなさってください。
そうそう、snowdropは今年はクリスマス飾りを何も出さなかったんです。
億劫で… おたがい無理はせず、ぼちぼちいきましょう。
今年も来年もどうぞよろしくお願いします。^^
フレッシー情報をありがとうございます。
snowdropはバヤリスオレンジ世代でしょうか…
今日はおせち料理を大方こさえて、夜はのんびりしています。
おかげさまで楽しく拝読させて頂きました♪


